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月刊中小企業レポート
更新日:2006/03/30

健康を考える

 私どもの健康の生殺をにぎる因子・条件として、母親(先祖)からの遺伝子・環境・栄養・行動などがあげられ、うまく操ることができますと百歳まで生きることが可能ですし、成し遂げられた方々も多数おられます。もちろんあえなく夭折してしまう方もおられます。そこの境目を説明したいところではありますが、それぞれの個に属するのでできません。
 私どもの体には賞味期限が備わっており、心拍動一兆回でおわりなど、まあ自滅装置があるわけです。
 また、そこにいたる前に、病に倒れてしまいます。働きすぎて倒れる方もおられます。誕生から自滅までの間、いくたの試練をのりこえ生き抜く方々もおられます。そこで自滅装置が稼働するまえに、何をしておけばよいか、考えてみました。
 年配の方々には、「体を暖める」、「水分補給」、「気(意欲)をたかめる」等が大事なことですが、どなたにとっても当たり前です。言うは易し、行い難しですね。ときには、モーツァルトを聴くもよし、そして「落語」を聞きながら、ちょっと高揚した気分で、みんなが啓発しあいながら、前に一歩とまいりたいものです。
 さて日々つつがなく過すため、それぞれ努力したり、あるいは自然に身についていることがおありでしょう。
 東洋医学においては「未病」という考え方があるようです。発症・発病の前段階ということでしょうが、先にあげました①循環②代謝③気力などの調整が狂うことがあるわけです。その段階で収支同一であれば、つつがなくということになりそうです。
 また、病を克服する際に薬剤が用いられますが、未病の段階では使いづらいですね。そこに健康サプリメントなどが汎用されることになりました。作用があれば反作用もありますので、効果ある薬(サプリメントもふくめ)ほど、副作用も考慮することになります。
 その点、漢方薬剤は、体調をととのえる場合でも、病克服のためでも使いやすく、私自身も活用したり、役目上多くの方々におすすめしております。おすすめはしておりますが、押し付けないようにしておりますので、説明を聞いた方にとっては「迫力にかけますなあ」と言って半信半疑となっておられるようです。
 ところで薬のおすすめを含め、医療行為には、一方的になってしまう、いわば加害者行為の側面があり、日々反省しております。今の薬剤には、内服薬といって胃腸などの消化管粘膜から吸収させるものと外用薬として皮膚・粘膜(眼・口腔・鼻腔・直腸など)経由のものがあります。
 そこで体に負担をかけないような治療法をみつけなければなりません。外用薬の活用はどうかと調べました。皮膚に何とか薬を染み込ませるため、液体をイオン化して、染み込ませる方法(イオン浸透法)が可能ということがわかりました。ただ窪みがないとできません。そこで耳の穴(外耳道)を用いることになりました。中耳炎などにより鼓膜に穴があいていますとできませんが、「経皮膚的方法」として、内耳機能の改善などに役立ちそうです。
 年配の方々の多くは、高血圧となり、薬に依存するわけですが、これらの薬が、内耳にとって不都合になることがあります。しかしやめることもできませんので聴力低下を少しでもくいとめんと、しかも体に負担ない方法としてみなおされてまいりました。
 やはり薬の副作用として、口がかわいてしまう方がおられます。唾液腺(主に耳下腺)の働きがにぶってくるとおもわれます。耳下腺は、外耳道と隣り合わせです。同じくイオン浸透法を行いますと回復された方がおられます。こうした経皮膚・経粘膜などによる治療法がつぎつぎとでてまいるとおもいます。鼻腔粘膜・口腔粘膜を活用した薬剤の登場まちどおしいですね。
 ところで、この冬インフルエンザにかかった方(しかもワクチンを注射しながら)もおありかと思いますが、ワクチンそのものが経粘膜システムを活用しなかった「欠陥品」なので、現状ではやむをえません。注射しないで、冒頭でのべた「健康対策」を実行するしかありませんね。
 また「気」というのも気になりますね。はっきり説明できないのですが、中国では、気功師という仕事があるそうです。気の科学的解明もすすみつつあるようですが、「病は気から」といわれることもありますので、皮膚の働きがもう少しわかるとよいですね。

長野県保険医協同組合理事
河原田 和夫
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