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月刊中小企業レポート
更新日:2006/03/30

成迫会計事務所通信より

エコアクション21導入のススメ
~続・新客観点数アップ対策~

 日々、環境問題が取り上げられるようになっており、車のハイブリッド、リサイクル製品の活用、クールビズなど地球の温暖化を防ぐ活動が多く見られます。そんな中、企業も環境に配慮した活動が求められており、その活動を促進するシステムとしてISO14001が定着していますが、現在、日本全国では『エコアクション21』という環境促進活動も広まりつつあります。
 これは、ISO14001をベースとして二酸化炭素や廃棄物の排出量を抑えた省エネルギー活動、リサイクル活動等に取組み、その活動をレポートにして公表するものです。
 導入することで、水道光熱費の削減につながり、また取引先への信頼性も向上しますので、建設業の方だけでなく中小企業者の皆様にもお勧めです。

コスト比較

  エコアクション21 ISO14001
導入コスト 20万円 300万円
維持コスト 5万円 50~100万円
時間コスト 6ヶ月 9ヶ月
新客観点数 5点 10点
一点あたりの金額 4万円/点 30万円/点

P点への影響

 12月号で『産業廃棄物減量化・適正処理実践協定』を県と協定を結び、資格総合点数(P点に新客観点数を含む)が5点アップするというお話をさせていただきました。今回は、『エコアクション21』の導入でISO14001との比較をご紹介させていただきます。
 経営利益が300万円の企業を例に導入後のY点・P点への影響を考慮し、資格総合点数を(P点に新客観点数を含む)比較した表です。※両方導入しない場合のP点は172点です。

  エコアクション21 ISO14001
コスト(導入・維持) 25万円 400万円 375万円
経常利益 275万円 △100万円 375万円
Y点 860点 808点 52点
P点 172点 161点 11点
資格総合点数 177点 171点 6点

 ISO14001で10点加点されても収益性と安定性が落ちるためエコアクション21に比べ資格総合点数が低くなってしまいました。

取得手続き

 エコアクション21の認証・登録をするにはガイドラインに沿って以下の手順を踏む必要があり、そこで作成した書類が審査人の審査を通れば認証・登録になります。

環境経営システムを構築、運用している
・現状での二酸化炭素、廃棄物量と環境への取組み方のチェック
ガイドラインに規定された環境への取組みを行っている
・Plan:環境への目標と取組計画の作成
・Do:取組計画の実施【最低3ヶ月の運用・維持】
・Check:取組状況の確認と評価
・Action:見直し
環境活動レポートを作成、自社及び事務局のホームページで公表
1年後に中間審査・2年ごと登録の更新となります。

 上記の①~③の業務では、書類を複数作成するとともに約6ヶ月の期間を要し、かつ、審査人は県地域事務局の方のため直接相談しながら作成することをお薦めします。
 決算書の内容だけでは、P点の維持が難しくなってきました。エコアクション21やISOで不足点数を補う画期的な方法ですが、やはりコストがかかってしまいますので、自社の体力(=利益・資金)の状況に合わせて導入を検討されてはいかがでしょうか。
 また、商工中金ではエコアクション21を取得した事業者に環境配慮に必要な設備資金の貸付も行っております。

本文は、松本市巾上の税理士法人成迫会計事務所で執筆していただいたものを掲載いたしました。
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