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月刊中小企業レポート
更新日:2006/03/30

トピックス東西南北

『そば切り発祥の里』のブランド化

 塩尻「本山」 本山宿

 本山宿は、慶長十九年(一六一四年)、洗馬・塩尻の二宿とともに中山道六十九次の宿に決まり路線が整備されたものですが、古く奈良・平安時代から都との交通上重要な道であったとされています。現在の建物の多くは、幕末から明治初年に建築されたものです。中山道の内では妻寵・奈良井宿などに並び宿場時代の旅籠等の面影がよく残され、往時、街道沿いに軒を連ねて旅人にそばを振る舞っていた風景を彷彿とさせてくれます。

蕎麦切りといっぱ 
もと信濃の國本山宿より出て
普く国々に もてはやされける
(風俗文選1706発刊)

 と記述に残されているように、中山道を往来する旅人の旅情を慰め、勇気づけた蕎麦切りの技術は、ここ本山宿から全国へと広がりました。時代の流れとともに宿場も本山そばもその姿を消していきましたが、その技術は古今変わることなく母から子、姑から嫁へと「家庭の晴れ食」として継承されて来ています。そして、平成三年、歴史ある蕎麦切りの里の復活を願う有志により、地元産の蕎麦粉100%を用いた「本山そばの里」が復活しました。地道な活動が次第に全国的に認められることになり、平成六年度には、地域振興と伝統復活により、国土庁長官賞を受賞されました。


 企業組合設立

 平成6年に塩尻市宗賀本山地区の有志で任意組織「本山手打ちそば振興会」を発足し、当地区に手打ちそば店を開業しました。事業拡大に伴い、対外的な信用、行政との関わり合いの中で任意組織からの脱却が求められ、企業組合の設立となりました。そば店を経営する中で、伝統の味を守り、より多くのお客様に来て頂くためのPR活動をしています。また、主に当地区の主婦を組合員として、働く場所の確保・地場産業の振興を通じて地域社会に大きく貢献しています。


 字体やロゴマークを商標登録

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 「そば切り発祥の地本山そばの里企業組合」では、経営するそば店のパンフレットなどに使っている「そば切り発祥の地」「本山そばの里」の字体やロゴマークを商標登録しました。(平成17年7月1日特許庁長官登録)
登録の目的は、
①「本山そば」の地位を確固たるものにし、世間にPRしたい。
②組合員の意識改革をして、よりよいそばを出したい。
③「そば切り発祥の地」であることを、大切にしていきたい。
④来年は、風俗文選が出されてから300年にあたるため。
などなど。お客様に喜んでもらえるそばを提供することを、第一の目的としています。値段が高くなってしまうため、外国産のそば粉を使うところが少なくない中、当組合では「自産自消」の精神から、地元産の蕎麦粉にこだわって作ったそばを提供し続けています。ここの手打ちそばは、風味豊か、腰の強さはもちろん、のどごしの良さと食感を楽しんでいただくために、細身のそばが特徴です。
 今年のそばの出来は、上出来。新そば祭りは十月末です。ぜひお出掛けください。

取材協力:そば切り発祥の地本山そばの里企業組合

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