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月刊中小企業レポート
更新日:2006/03/30

第57回 中小企業団体全国大会 in 札幌ドーム

北の大地で誓おうフロンティア精神組織の力

※ご参加いただいた方より写真を提供していただきました。

 9月15日(木)、第57回中小企業団体全国大会が札幌市「札幌ドーム」において開催されました。
 『北の大地で誓おう フロンティア精神 組織の力』の北海道らしいキャッチフレーズのもと、大会には総勢8,300名が参加。長野県中央会関係参加者は120名が参加。また望月中小企業庁長官をはじめ大勢のご来賓の臨席を得ました。
 大会では、中小企業に関する13項目の決議および大会宣言が採択されました。
 併せて表彰式では、優良組合38組合、組合功労者72名、中央会優秀専従者17名が表彰されました。
 なお、次回58回中小企業団体全国大会は、平成18年に東京都で全国中小企業団体中央会に都道府県中小企業団体中央会が協力し開催することとなりました。

宣 言


 我が国の景気は、緩やかに回復している、先行きについても国内民間需要に支えられた景気回復が続くと見込まれる、とされているが、我が国企業の圧倒的多数を占める中小企業においては、景気回復を実感するには至っていない。
 我が国経済の活力の源泉、国の礎である中小企業は、将来に対する不安を払拭できないまま、日夜懸命の経営努力を重ねている。
 景気回復の効果を広く中小企業に及ぼし、景気回復に弾みをつけるため、政府は今こそデフレ脱却のための強力な景気対策、中小企業対策を講ずるべきである。
 また、国を挙げての重要課題とされている世界最高水準の科学技術創造立国、とりわけ産学官連携を強化するためには、国の中小企業対策としてその推進態勢を整えるべきであり、特に、中小企業が相互に経営資源を補完し、知識と技術を結びつけ、共同で事業を行う中小企業組合がその力を発揮すべきときであり、中小企業組合に対する期待が高まっている。
 開廃業率の逆転現象が続く中、創業・起業の促進、新連携の推進、新事業展開などの視点から、中小企業連携組織対策を中小企業政策の中核として位置づけ、抜本的に強化すべきであり、これら事業の遂行を担う中小企業団体中央会に対する強力な政策支援が是非とも必要である。
 本日、全国の中小企業団体の代表は、本年七月、世界自然遺産に登録された知床を抱く、ここ北海道の札幌ドームに集い、「北の大地で誓おう フロンティア精神 組織の力」を合言葉に第57回中小企業団体全国大会を開催し、我が国中小企業が時代のニーズに即応して積極的にその期待に応えていくために必要な重点事項を決議した。
 政府は、全国470万中小企業が、その活力を最大限に発揮し、希望と勇気を持って、明るい展望を切り拓いていくことができるよう、本大会が決議した事項を早急に実現すべきである。
 我々中小企業もまた、本日の大会を契機に、企業家精神をさらに発揮しつつ、中小企業組合に相互の力を結集し、希望と活力に満ちた新しい経済社会の創造に向け、大きく翔くことを期する。

 右宣言する。

平成17年9月15日
第57回中小企業団体全国大会


表彰された県内優良組合

当日の受賞風景
当日の受賞風景


前田 信 諏訪建設事業協同組合
長野県諏訪市高島4-2720-1
理事長 前田 信
設立年月日   昭和39年11月18日
組合員数   64人
主な共同事業   1. 共同施設管理運営
2. 金融事業
3. 事務代行事業

金森 次郎 大北生コン事業協同組合
長野県大町市大字大町2811-1
理事長 金森 次郎
設立年月日   昭和49年3月20日
組合員数   8人
主な共同事業  
1. 組合員の取り扱う生コンクリートの共同販売
2. 組合員に対する事業資金の貸付及び組合員のためにするその借入

岩下 勝美 上小トラック事業協同組合
長野県上田市大字殿城581-6
理事長 岩下 勝美
設立年月日   昭和49年12月17日
組合員数   19人
主な共同事業   1. 組合員のためにする貨物運賃の共同集金
2. 燃料、油脂、タイヤ、諸資材諸物資等の共同購入
3. 貨物運送取扱事業

清水 孝徳 協同組合物流ネットワーク長野
長野県長野市川中島町御厨941-1
理事長 清水 孝徳
設立年月日   平成6年12月5日
組合員数   14人
主な共同事業  
1. 組合員が必要とする輸送情報のネットワークシステムの構築及びその維持管理
2. 組合員の取り扱う貨物の共同受注

 中央会優秀専従者

宮尾 久美子 宮尾 久美子
昭和40年8月5日生
長野県中小企業団体中央会
連携支援課 主任


第57回中小企業団体全国大会決議

スローガン

  1. 中小企業連携組織対策予算の確保・充実
  2. 政府系中小企業金融機関の機能の維持・強化
  3. まちづくり推進のための新たな枠組みの構築
  4. 中小企業の活力を増進する組合制度の見直し
  5. 景気・経営環境に配慮した税制の見直し
  6. 中小企業を重視した労働・教育改革

1 景気対策、中小企業対策の充実・強化

 我が国経済の活力の源泉である中小企業が景気回復を実感できるよう適時・適切な景気対策を実施すること。
 中小企業が新連携、新事業展開、産学官連携等に果敢に取り組んでいけるよう、中小企業対策予算の大幅増額など中小企業対策全体を拡充すること。


2 中小企業連携組織対策の確保・充実と中小企業組合制度見直しへの適切な対応

 中小企業連携組織対策は、全国いたるところの中小企業が事業協同組合等の「連携組織」に結集して取り組む経営革新、新事業展開等を全面的に支援するものであり、中小企業対策の重要な柱である。したがって、国及び都道府県が一体となって実施する中小企業連携組織対策を確保・充実するとともに、同対策の実施を担う中小企業団体中央会の指導体制を整備・強化すること。また、中小企業組合制度見直しに向けた検討に当たっては、既存組合に与える影響や既存組合が有する真のニーズを十分把握し適切に対応すること。


3 中小企業金融対策の充実

 長期にわたり厳しい経営を強いられている中小企業を金融面から支援するため、政府系中小企業金融機関の機能の維持・強化、信用補完制度の適正な見直し、担保・保証に過度に依存しない融資の推進など中小企業金融対策を充実すること。


4 まちづくり推進のための新たな枠組みの構築と中小商業・物流業・サービス業振興対策の強化

 コンパクトで暮らしやすくにぎわいのあるまちづくりを理念とする「まちづくり推進のための新たな枠組み」を早急に構築すること。また、商店街をはじめとする商業集積の整備と個店づくりへの支援を強化すること。
 中小卸売業、中小運輸業について、経営環境の変化に対応するための支援を拡充強化すること。また、新たなサービスの創出や生活衛生関係サービス業の支援策を充実・強化すること。


5 景気・経営環境に配慮した税制の見直しと中小企業関係税制等の充実・強化

 税制の見直しは、中小企業を取り巻く景気や経営環境を十分配慮し、慎重に対応すること。
 中小企業と、その支援組織である中小企業組合の経営基盤の強化と積極的な事業展開等を促進するため、税負担の軽減と中小企業関係税制等の充実・強化を図ること。


6 円滑な事業承継を可能とする税制の充実

 中小企業において、後継者に円滑に事業を承継することができるよう、事業承継税制を充実すること。


7 中小企業を重視した労働・教育政策の展開

 定職を持たないフリーターやニート(若年無業者)が急増している現状にかんがみ、若年者の職業観や勤労観を育てるキャリア教育の充実、中小企業とふれあう実践的な教育の強化、日本版デュアルシステム(座学と企業実習を組み合わせた教育訓練)の導入促進、就業対策の強化などを図ること。
 また、中小企業の人材育成や技術・技能の継承等に対する支援を強化すること。
 労働時間規制の見直し、労働契約法制の検討は、中小企業に対する規制強化にならないよう、中小企業の実態を十分踏まえて行うこと。
 最低賃金制度は、産業別最低賃金の廃止や地域別最低賃金の改定のあり方を含め、抜本的な見直しを行うこと。
 さらに、事業主団体を活用した実効性のある次世代育成支援対策(少子化対策)や、雇用保険三事業や各種助成金制度の抜本的な見直しなどを行うこと。


8 社会保障制度改革に関わる企業負担の抑制

 社会保障制度の見直しに当たっては、労使折半である厚生年金保険、医療保険、介護保険、雇用保険の適用対象の拡大や保険料率の引上げによる企業負担の増加が、中小企業の経営を阻害することがないよう、十分に留意すること。


9 中小企業並びに官公需適格組合への官公需発注の増大実現

 国及び地方公共団体は、「官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律」(官公需法)に基づき、中小企業者並びに官公需適格組合への官公需発注の増大に努めること。
 また、中小企業者の受注機会の増大を図るため、より一層の官公需施策の充実・強化を図るとともに、中小企業向け官公需施策の適切な運用を図ること。


10 不当廉売の防止及び下請取引の適正化等の強化

 中小企業者に不当な不利益を与える不当廉売、優越的地位の濫用等の不公正な取引方法や消費者の適正な商品選択を妨げる不当表示、過大な景品提供行為に対し、国は、監視・監督機能のさらなる強化を図り、迅速かつ厳正に対処するとともに、一層効果的な措置を講ずること。
 また、親事業者の優越的地位の濫用等による不公正取引が依然として後を断たないことから、下請中小企業が不当なしわ寄せを受けることがないよう、下請取引の一層の適正化を図ること。さらに、下請中小企業が下請取引環境の変化に対応できるよう、実効ある経営基盤強化策を講ずること。


11 信用組合に対する支援の充実

 地域・中小企業金融において重要な役割を果たしている信用組合が、相互扶助による協同組合組織の金融機関として、今後ともその機能を有効に果たすことができるよう、必要な措置を講ずること。


12 環境・リサイクル対策の支援強化

 今日的かつ社会的課題である環境・リサイクル問題に中小企業及び中小企業組合が迅速かつ的確に対応するため、国及び地方公共団体は、予算・金融・税制等を始めとする各種支援策を強化するとともに、政府系中小企業金融機関は、環境・リサイクル関連の融資制度を拡充すること。


13 組合等を中心としたIT対応支援策の拡充

 中小企業が経営革新を推進し、経営基盤の強化を図るためにはITの活用は不可欠であるにもかかわらず、利活用が進む大企業との格差は一層の拡大を見せている。このため、中小企業における情報担当者の育成、組合等が行う電子商取引システム開発等への支援を拡充するとともに、行政の電子化に伴う中小企業者の対応支援のほか、個人情報保護法への対応、セキュリティ対策に対する一層の支援拡充を図ること。

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