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月刊中小企業レポート
更新日:2006/03/30

トピックス東西南北

およりて 南信州  企業組合が担う地域活性化

 長野県の最南端、愛知県と県境を接する阿南町と売木村。中央アルプスと南アルプスの山岳に囲まれた、清流と緑豊かな高原の山里である。それぞれ「平成の大合併」は見送られ「自立」の道を選択した。このような中、地域活性化の夢を担って2つの企業組合が産声を上げた。

平谷峠から売木村方面。山の向こうに山が連なる
平谷峠から売木村方面。山の向こうに山が連なる


 素朴さとふれあい空間

トウモロコシ採りもできます 取れたて野菜
トウモロコシ採りもできます   取れたて野菜
 企業組合うるぎ(三宅篁代表理事)は平成16年8月に設立されて1年を迎える。平成12年に完成した地域農産物活用型総合交流促進施設「うるぎふるさと館」を拠点に①売木村の新鮮な水と空気で育った食材を使ったリンゴジュース、トマトジュース、トマト、大根の漬物等の加工販売②イモ掘り、トウモロコシ収穫などの体験イベント(ジャガイモ種植え(3、4月)、イモ掘り(7、8月)、トウモロコシ種まき(4、5、6月)・収穫(8、9、10月)、大豆種まき(5、6月)・収穫(10、11月)、山菜とり(5、6月)、雪遊び等)③地元でとれた新鮮なトウモロコシ、トマト、リンゴ、イチゴの直売④ユニークなインストラクターによる、練りの基本から切りまで、手とり足とり親切に指導するそば打ち体験などの活動を行っている。新年度に入って新に2人が組合に加わり8名となった。それに合わせて活動範囲も大きくなることが期待されている。
(問合せ先 うるぎふるさと館 0260-28-1051)


 召し上がれ 阿南の味

直売所とレストランが入る店舗 オープンテラスで食事も出来ます
直売所とレストランが入る店舗   オープンテラスで食事も出来ます

 阿南町富草のゆぅゆ~らんど阿南内に地域の食材を使った季節の家庭料理を提供するバイキング形式のレストラン「旬彩厨房しゅふふ」が4月21日にオープンした。これは、同町内の主婦らで設立された企業組合ネイチャーファームあなん(小林ふくみ代表理事)が、ゆぅゆ~らんど阿南内の建物を同町からテナントとして借り受け経営するもの。店名の命名に当たっては、コック長を意味する「シェフ」に加え、スタッフの主婦が「うふふ」と笑顔で料理を提供する意味合いを込めた。食材は、地元の生産者組合の協力を得て、敷地内の「かじかの湯」にある産地直売所に持ち込まれる地元食材や直接提供を受けた農産物、山菜を仕入れており、地産地消にこだわっている。春は山菜、夏はトマトなど季節感ある食材を使った料理約30品目が並ぶ。同組合は、「出荷出来ないものを使って何か出来ないだろうか、農家に元気を出してもらえないだろうか」とこれまでにも台風等で被害にあった同町産のリンゴを使ったワインの販売を企画するなど、町内で生産される農産物を利用して地域の活性化を図ろうと活動を続けてきた。代表理事の小林さんは、「地域とのつながりを大切にしながら旬の味を提供していきたい、町のみんなが元気になれるといい」と話していて、農業の活性化や温泉利用客の増加等、相乗効果も期待している。
(問合せ先 旬彩厨房しゅふふ 0260-22-2300)

取材構成/南信事務所

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