MENU

 月刊中小企業レポート
> 月刊中小企業レポート

月刊中小企業レポート
更新日:2006/03/30

トピックス東西南北

「諏訪湖時の科学館 儀象堂」と
「諏訪湖オルゴール博物館 奏鳴館」の今までとこれから!

儀象堂に展示されている時計の数々
儀象堂に展示されている時計の数々
世界で初めて復元された水運儀象台
世界で初めて復元された水運儀象台

 

下諏訪温泉観光事業協同組合

 当組合の位置する下諏訪町は江戸時代、中山道と甲州街道の分岐点として、きわめて重要な役割を担い、中山道随一の温泉宿場町として繁栄してきた。また戦後、時計、オルゴール等の精密分野が盛んとなり多くの職人を育ててきた地でもあり、「製糸の町」から「東洋のスイス」と呼ばれる精密工業の都市として発展してきた。
 そんな先人が作り上げてきた町の長い歴史、技術を重んじながら時代の流れを見つめることの出来る「諏訪湖オルゴール博物館奏鳴館」を1996年3月20日に「諏訪湖時の科学館儀象堂」を1997年3月18日に諏訪大社周辺の活性化策として、下諏訪町が建設し、「奏鳴館」は第三セクターの下諏訪観光事業株式会社へ「儀象堂」は当組合へと管理・運営を委託した。

問題点

 「奏鳴館」の運営は96年3月のオープン以来順調に推移を見せているが、1年遅れで開館した「儀象堂」に関しては、当初来館者見込みの10万人を大きく下回る4万9千人となり、委託2年目にして多額の累積赤字が見込まれるなど、厳しい状況下に置かれてきた。
 こうした中、開館以来3年連続で年間10万人の誘客に成功している「奏鳴館」の経営ノウハウを生かすため両館の運営組織を一本化し、経営の立て直し計画を図ることとなる。

今後の取り組み

 最近では、下諏訪町からの富士山の風景が、「関東の富士見百選」に選ばれたことを記念して、富士山のフォトコンテストを1月19日まで行い、また、諏訪地方で行われた映画「いま会いにゆきます」のロケ現場の写真展等を実施するなど、積極的な集客活動を行い大きな成果を得た。また、2月5日には、当組合や、町内の町づくり団体、商店街などが同時に連携イベントを開催し相乗効果を狙った活性化策にも取り組んでいる。内容としては、2月1日~6日までの間に地元銭湯において、温泉銭湯スタンプラリーを実施するなど、普段なかなか来る機会のない地元住民をターゲットとして、観光の基盤である町民の指示を取り付けていく狙いで行われた。その他にも、諏訪湖周辺のイベントとして有名なアイスキャンドルに合わせ、「儀象堂」や「奏鳴館」等も積極的に参加し、イベントを打ち出した。
 また、両館は今年3月をもって「儀象堂」は創立8年、「奏鳴館」は創立9年となるため、創業記念祭を計画している。「儀象堂」ではアンティーク時計の掘り出し物市を行う「おじいさんの時計屋さん」、「奏鳴館」では「アカペラコンサート&バイオリンのコンサート」を目玉イベントとし、「開運根付講座」「すわっチ祭り」「アンティークオルゴールの生演奏」10組限定の「ブライダルフェア」と数々のイベントを計画している。ちなみにイベント当日のみ入館料は両館ともに無料となっている。
 また両館では、展示品以外にも体験工房が設けられており、「奏鳴館」は好きな曲を選択しフレームに部品を取り付けるところから、くし歯とドラムの噛み合いまでのオルゴール作りが体験出来る。また「儀象堂」では、時計本体外装部分だけを組み立てるコースから、機械式時計の全てを、6時間を要し、組み立てる本格的なものまで幾つものコースが用意されている。これは、諏訪地域の精密分野への長い歴史と地元に密着した高い技術があるからこその体験工房であり、国内唯一であるという。また、体験工房を希望しなくても、お客様に各種パーツを選んで頂き提供するシステム設けており、全国各地から注文依頼が上がっている。
 こうした取り組みにより、組合では、前年比10%UPを見込んでおり集客数においては、5年計画で20%の目標を立てている。

(取材構成 南信事務所)


奏鳴館外観
奏鳴館外観
奏鳴館に展示されているオルゴールの数々
奏鳴館に展示されているオルゴールの数々
このページの上へ