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月刊中小企業レポート
更新日:2006/03/30
短期連載 マガさんの激動中国記 その7 1978年、改革開放を打ち出した中国はその後遅々とした歩みながらも路線を維持し92年、小平による「南方講話」から一気に加速、日本の円高による海外拠点建設にも乗り、華南地区から始まった経済成長には目を見張るものがあります。その中国に94年から現在まで10年に亘って単身乗り込み、成長の「表」も「裏」も知り尽くした「マガさん」が見ている中国の真実の7回目です。

 華南、常平へ帰って早速遭遇した事を書いておきます。それは戻って間も無い1月初めの事です。香港の銀行へお金を下ろしに行っての帰り、皇崗のイミグレーションを越えて中国側に入った所でした。バスが見当たらずウロウロしていた所へタクシーが声を掛けてきましたので、昼間でもあり、道も知っているから料金を交渉したら結構安かったので乗りました。
 行く先を告げて走り出すと、運ちゃん、やけに調子がいい(経験上雰囲気でチョット警戒)。「日本人か?在中国何年ダ、中国語上手だな!」小姐の話などをしながら約5分ほど走ると、突然車のエンジンが止まる。道の端に寄せて掛けるがエンジンは掛からない。その内にヒューズ(多分)の様な部品を見せて、この部品が壊れたから買ってくるので待っててくれ、とのこと。そんなに都合よく自動車の部品を売っている店が近くに有るわけが無いですから、この時点で芝居を見破った私でした。そして、車の中は暑いから外に出て待っていてくれ(1月の初め、車の中が暑いわけが無い)。案の定、外に出たらネクタイをしてスーツを着てバッグをもった紳士が声を掛けてきました。
 「何処へ行くんですか、私は唐厦へ行くんで同じ方面なら一緒に行きましょう(唐厦は私の行く先でタクシーの運転手から連絡が行っている)」。どう見ても泥棒の仲間には見えない。しかし私は既に彼らの芝居を見破っていたので、やや離れた所に別のタクシーが居たから(これは深でも有名なタクシー会社の標識等が付いている)その紳士の言葉には耳も貸さずに別のタクシーに乗り込み無事帰りました。もし私がその言葉に乗ったら、先のタクシーの運転手が部品を買って(実際には遠くから様子を見ている)戻って来て、何処か山の中へ連れて行かれて金を取られ、下手をすれば命も保証されない状況でした。暫く心臓がドキドキ、実はこの時、顧問をしているローカルの会社の売上金(御客が台湾企業の為、香港の私の口座へ振り込まれる)を下ろしてきたので、かなりのお金を持っていたのです。私が大金を持っている事は彼らが知る由も無いわけですが、いずれにしろ、この国境を香港から入る外国人は必ず有る程度の金は持っている!これが彼らの狙いです。
 そして、彼らは必ず何人かのグループで行動しています。私の知人が深で襲われた時も5人組みでした。夜一人で歩いていた所(少々酔っ払ってました…)いきなり後ろから殴られワゴン車に連れ込まれ目隠し、猿ぐつわ、2日間監禁され、この間にキャッシュカードで金を下ろす(1日2万元(≒30万j¥)しか下ろせない)。パスワードを教えないと何をされるか判らないので仕方なく教えた。約4万元、残金が無い事を確認して3日目に開放された、とのこと。金だけが目当てだった為、パスポート他は返してくれたようで、その中に私の名刺が有ったので直ぐ私に電話をして来たのです。私も彼も日本の医療サービス保険のウエルビーに入っていましたので、担当者に連絡して(24時間対応可能、この時は午前3時でした)肋骨を骨折していたので即、深の北京大学付属病院へ入院しました。幸い大した事は無く2週間ほどで退院して、今でも懲りずに中国で働いています。よほど中国が気に入っているんでしょう…。
 この時対応してくれた日本のウエルビーという医療サービスの会社は、中国全土に展開しています。日本人が事故に遭ったり、病気時の対応、また最悪の死亡時対応等してくれますが、彼らの情報ではやはり一番多いのはガスによる死亡事故だそうです。
 そのガス中毒死も経験しました。それは前職の2001年の事です。隣の部屋の同僚の所へ訪ねてきた友人がお風呂でガス中毒死しました。バスルーム内にガス給湯器の有るタイプでしたので、自分では必ず入浴やシャワーの時は換気扇を回す”癖“を付けていますが、知らない人や自分でもうっかり忘れた時は危険です。この時は救急車が来たり(死亡者は運ばない)警察が来たりで大騒ぎでした。殺人か、事故死か、家族に対する補償、本人の精神的ショック等、乗り越えて前記友人同様今でも中国で働いています。中国の家庭用PGは無臭、その上ガス器具が粗悪品、洗面所兼バスルーム内に給湯器の設置して有る所が多い(これが一番危ない)。私は華南へ戻る時、会社が用意してくれるアパートの条件としてバスタブ付でガス給湯器は外付けを最低条件でお願いしましたので、現在住んでいるアパートは一応ガス中毒に関しては安全です。
 ガス器具の品質不良品は非常に危険ですが、一般の電気製品も不良品が売られていますのでよく壊れる。だから、必ず買うときは電気を通して性能を確かめてから買います(昔、日本もそうだった事を思い出しています)。電気製品(に限らずお札まで)の偽物(中国語で假的東西jia da dongxi)が多くて、どれが本物でどれが偽物か、そんな事を気にしていたら何も買う事が出来ません。しかし、最近はテレビやDVD等の中国製も非常に品質が良くなってきて、中国のメーカー品を買うと殆んど問題がなくなってきました。だから町のスーパーのテレビ売り場では日本製は殆んど見る事が出来なくなって来ました。しかしひと昔前は、日本製の偽物を作っていた中国企業が優秀な技術で有名メーカーになってきて、今度は自分が偽物対策をしなければならなくなってきています。
 偽物で思い出しました!私が上海で仕事をしたのが中国最大の保税区『外高橋保税区』でしたが、この保税区の中に假的品市場が有りました。かなりの規模で時計をはじめ、靴やバッグの革製品から衣料品まで売っていて、近郊の都市部から観光バスが来て、多くの人が買い物袋を提げてバスに乗り込む姿を見て、此処が本当に保税区か?と驚くばかりでした。

コラム マガさんのホットレポート

1.

最近の電力事情は9月中旬より平常に戻りました。一般家庭での電力消費(エアコン)が減少した事と降雨により水力発電量が増した事と伝えられています(月末に上海工場へ行きましたが華東も規制解除のようです)。ここ東莞市でも電力不足の対策で4基の火力発電所を建設して、来年はもっと良くなると言ってますが、さらに電力の消費量も増えて、又いたちごっこになるかも…。来年の夏が楽しみ!楽しみにしてはいけませんが(笑)お手並み拝見です。

2.

日本富士
日本富士
いよいよ秋になって産地直送のりんごが大量に街に出ています。”日本富士“
 といい、確かに味は富士、しかし長野で見る富士とは似ても似つかない小ぶり。正に消費者ニーズに合わせた産品といったところでしょう。もし長野で生産するような高品質のりんごが1個10元(150円)もしたら誰も買いませんよ。1個0.5元だから一般の人も買うし、工場の昼食のデザートにもでる訳です。ですから、りんご農家も1本の木に沢山実らせて小さくても売れるりんごを作る、というわけです。

3.

相変わらずの交通事情の悪さには最近ほとほと参っています。何と言っても車の全体量が増えた事が一番の原因ですが何時も感じている運転マナーの悪さが一段と渋滞に拍車を掛けています。自分の事しか考え無い結果が、多くの人達に迷惑を掛けている!こんなことを思うやつは一人も居ないんじゃないかとさえ思う今日この頃です!チョット譲って他車を先に行かせてやればスムースに流れる状態でも絶対に譲らずに突っ込んで行く。そこへ後続車が我先にと割り込む。前にも後にも動けなくなる。しかし何処からか少しずつ動き出すチョット不思議な現象です。そしてこんな状態でもお前が突っ込んで来たのがいけないとか割り込みを怒ったりしている光景は一切見られません。辛抱強いと言うかこれがあたりまえと思っているのか。我々日本人の運転マナーからはとても考えられない事でしょう。

4.

以前こんな話を聞いた事が有ります。「日本では道端に金庫が置いてある(自動販売機の事)」。そんな事を言っていた中国でも最近はさすが道端には有りませんが、駅の待合室(日本の待合室とはチョット違って検札後です)には自販機がお目見えしています。

駅構内の自動販売機 変わらぬ乗車方法
駅構内の自動販売機 変わらぬ乗車方法

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