1. |
中小企業を危機に陥れるコスト負担増反対
景気が一向に回復しない中で、中小企業は企業の存亡をかけて、競争力強化のためのコスト削減に懸命に取り組んでいるが、その努力ももはや限界を超えている。
こうした危機的な状況に鑑み、中小企業にとってこれ以上のコスト負担増となる年金保険料の引上げや、厚生年金のパートタイム労働者への安易な適用拡大は行わないこと。加えて、雇用保険財政の圧迫要因となる育児・介護休業制度の拡充も行わないこと。 |
2. |
中小企業に配慮した労働基準法の見直し
(1) |
労使紛争の早期解決を目指す「解雇無効判決の場合における金銭解決」の制度化に当たっては、使用者側に過度の手続上の制約を課すことなく柔軟な枠組みとすること。また使用者が支払う金銭の水準は、中小企業の厳しい経営実態と支払能力を十分踏まえたものとすること。 |
(2) |
裁量労働制(みなし労働時間制)については、中小企業が活用できる制度とするため、導入・運営の思い切った規制緩和と受入れ環境の整備を行うこと。さらに、ホワイトカラーについては、ホワイトカラー・イグゼンプション(労働時間の適用除外制)の導入も検討すること。 |
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3. |
最低賃金制度の見直し
(1) |
産業別最低賃金は、地域別最低賃金が全国的に整備・適用され定着をみている今日、これに屋上屋を架するものであり、早急に廃止すること。 |
(2) |
地域別最低賃金は、厳しい経済状況を反映して、本年度も目安「0円」答申(2年連続据え置き)が出されたことは評価するが、経済の動きとは無関係に毎年改定諮問がなされ、引上げの議論が行われる現在の方式は不合理であるので、経済実態に合った改定システムに改めること。 |
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4. |
中小企業への雇用支援を重視した雇用保険三事業の抜本的見直し
(1) |
雇用セーフティネットを一層充実するとともに、中小企業の持つ雇用吸収力を最大限活用し、新たな雇用創出を実現するため、創業・起業支援策や労働力確保法等による人材確保策、若年者・高齢者の雇用促進策など、中小企業に重点を置いた支援施策の充実を図ること。 |
(2) |
危機的状況にある雇用保険三事業(全額事業主負担)の財政を早急に立て直すため、事業の一層の合理化・重点化はもとより、取扱機関の統合、コスト削減等による徹底した効率化を図ること。 |
(3) |
雇用関係各種助成金制度は、中小企業にとっては要件が厳しく、申請手続も極めて煩雑で、依然として利用しにくいのが実態であることから、早急に制度の抜本的改善を図ること。 |
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5. |
パートタイム労働者に対する税制上の配慮
パートタイム労働者に対する雇用ニーズが年々増大する中で、所得税・住民税の非課税限度額が低額なため、依然としてパートタイム労働者自らによる「就業調整」が行われている。このため、非課税限度額を大幅に引き上げるとともに、社会保険の適用年収基準も引き上げること。 |