トピックス東西南北
いい気伊那谷
特産品開発第2期スタート

 地域の特産品づくりを目指す上伊那特産品開発研究会(下平洋一会長、32企業・グループ)はこのほど、駒ヶ根市内で総会を開き、第2期(平成15年度~16年度)のスタートを切った。第1期(平成12年度~14年度)では「ゼロ磁場」「特産料理」「伝統工芸」の3部会を設置、横の連携による上伊那らしさを生かした商品の研究開発を行ってきた。その結果、「気の里ビール」「気の里焼酎」「五平鍋」等の成果品を発表、販売し好評を博するまでに成長した。第2期は3部会の研究活動をさらに発展させるとともに、新たなテーマを発掘して他の産業や大学などと連携して地域経済と観光の振興への道筋をつけたいとしている。

 上伊那郡長谷村と、上伊那特産品開発研究会は、日本最大の活断層中央構造線から湧く地下水で仕込んだビールを、平成14年7月から販売している。
 同村は中央構造線上にあり、断層で押し合う強力な力が抵抗しエネルギーを蓄積することによる「気」が存在する「ゼロ磁場」の地域と言われている。気が強い場所の地下でワインやしょうゆなどを3ヵ月ほど寝かすと、まろやかさが一段と増すという。同村の井戸水は昔からすっきりしてうまいと評判だった。近年、この「気」による癒しを求めて、多くの人が訪れている。この「気」のエネルギーを利用し、他の地域ではまねの出来ないビールを村の名物にして、イメージアップを図り、観光や産業の展開に結びつけ、活性化を図ろうというものだ。
 ビールに使用する水は、他の地域より特に「気」の多いと言われる、同村分杭峠直下百メートルから汲み上げたものを使用している。水質は、軟水で弱アルカリ性、波動値も高く、活断層のエネルギーが水をまろやかにするという。ビールは、駒ヶ根市の地ビール会社が製造し、「南アルプス気の里ビール」として、同村内の酒店、保養施設で販売している。
 初年度は4回仕込み、1万2千本を売り上げた。

フルーティーな香りの「気の里ビール」
フルーティーな香りの「気の里ビール」
すっきり軽快な口当たり「気の里焼酎」
すっきり軽快な口当たり「気の里焼酎」



伊那谷と訪れる客のおもてなし「五平鍋」
「五平鍋」の命名

五平鍋

 食べ物は、その国の文化の総合体といわれているが、信州伊那谷の三大名物と言えば、五平餅、馬肉、信州味噌をあげることができる。
 その名物は偶然同じ頃に名称は違っても同じような食べ物があるのが食文化の面白いところだ。
 日本蕎麦の「切り蕎麦」も同年代あちこちで食べられていたし、秋田県のキリタンポも以前は五平餅と同じ様にご飯を半潰しにして、串に打ってクルミ味噌や胡麻味噌を付けて焼いて食べられ、新潟でも剣先焼があるが、共通するのは山の神(女神)に捧げる物として貴重な飯で男のシンボル的なものをつくったのだろう。
 一方、馬肉は伊那谷のタンパク源だが、タンパク源だけなら川魚や山の動物もあるのだが、馬肉は寒冷地では体温を高める食品として先人の知恵があったのだ。
 そして、味噌は一昔前までは大豆をどこの農家でも畦道にまいて、味噌を造り、いつしか誰とは言わず鍋に入れて食べていたのをスローフードの昨今、信州特産の栽培茸や信州野菜を入れて造り替え、新しい沢風を当ててみたのです。今不足している繊維質とタンパク質と、そして古来からある調味料、まさに先人の造った食文化ではないでしょうか。
(取材構成:南信事務所 瀬戸口俊二)

レ ・ シ ・ ピ

材料(5人分)
せり1束・しめじ半パック・葱2本・えのき1束・ごぼう3分1本・里芋5個・人参適宜・木綿豆腐1丁・馬肉スライス350g・五平餅10本

鍋地
出汁1リットル・信州味噌130g・砂糖20g・酒180cc
リンゴ半分程度をおろしたものと上記を合わせ火入れする。

料理方法
葱は斜めに切る。しめじ・えのきはほぐす。ごぼうは笹欠して水に取る。
里芋は面取りして半分に切り茹でておく。
野菜・豆腐は鍋に盛り、五平餅は串打ちのまま別の皿に馬肉と共に盛る。
野菜が煮えたら馬肉を入れ、さっと火が入ったところで頂き、五平餅も入れる。


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