トピックス東西南北
1300年余の時をこえて仏都・長野の荘厳なる祭典
善光寺 前立本尊御開帳

善光寺


 善光寺では今春、4月6日から5月31日まで、7年に一度の盛儀『前立本尊御開帳』が行われます。
 もともと「開帳」とは、普段は公開されない仏像や宝物の扉を開け、直接拝めるようにすることを言います。善光寺のご本尊、一光三尊阿弥陀如来様は、善光寺創建から間もない白雉5年(654)に秘仏となり、誰も見ることができなくなりました。その後、ご本尊のご分身として造られた仏様が、御開帳で開扉される「前立(まえだち)本尊」様です。前立本尊様も普段は秘仏ですが、7年に一度だけ本堂に遷され、そのお姿を現します。
 前立本尊様の右手には、「善の綱」と呼ばれる一連の糸が結ばれ、本堂前に建つ巨大な「回向柱(えこう)」に繋がります。一辺45センチメートル、高さ10メートル、御開帳のシンボル的な存在でもあるこの柱は、善の綱を通じて前立本尊様と一体化しています。このため、回向柱に触れれば、前立本尊様に触れるのと同じ功徳が得られると言われております。
善光寺
 善光寺は古来より、身分や性差を問わず、あらゆる人々に極楽往生を約束する寺として、全国から深い信仰を集めてきました。交通機関が発達していなかった江戸時代の御開帳にも、人々は前立本尊様を拝みたい一心で、こぞってこの地を訪れました。御開帳は昔も今も、善光寺を中心に発展してきた仏都長野が最高の賑わいを見せる時です。
 前回の平成9年の御開帳では、オリンピックを翌年に控え、長野に対する国内外の注目が高まっていたこともあり、延べ515万人もの人出を記録しました。今回は21世紀初の、また、長野新幹線開通後初の御開帳となります。この機会に多くの方々が長野を訪れることを、心から念願しております。
(取材協力:善光寺)


目次に戻る