雇用調整助成金の改正のポイント

~13年10月1日からの新制度の概要~


1. 業種指定方式が廃止されます
2. 個別の事業主に対する支給要件が改められます
3. 特定地域における支給条件が変わります
4. 対象期間が変更されます
5. クーリング期間が設定されます
6. 助成内容が変わります
7. 申請手続き先は変わりません

1. 業種指定方式が廃止されます

 本年10月の「経済社会の変化に対応する円滑な再就職を促進するための雇用対策法等の一部を改正する等の法律(雇対法等一括法)」の施行に併せて、雇用調整助成金につきましても、特定の業種に関わらず真に支援の必要な者に対し、対策を講ずる観点から、従来行われてきた厚生労働大臣による指定業種、該当する事業主に対する助成方式を廃止します。
 ただし、本年9月までに厚生労働大臣による業種指定を受けている業種につきましては、指定期間が短縮されるなどの措置は行われません。


2. 個別の事業主に対する支給要件が改められます

 従来、業種指定を受けている業種に属する事業主につきましては、休業等実施計画届提出の際、直近3か月の生産(販売)量 (額)が対前年比で下回っていること、雇用量が対前年比で増えていないことが支給要件となっていました。
 本年10月からは、業種指定方式の廃止に伴い直近6か月の生産(販売)量 (額)が対前年比で10%以上下回っていること、及び雇用量が対前年比で増えていないことが支給要件となります。
 但し、本年9月までに厚生労働大臣により業種指定を受けている業種につきましては、指定期間内は従来の要件にて支給が受けられます。また、中小企業経営革新支援法に基づく経営基盤強化計画の認定を受けている特定組合等の構成員である中小企業事業主につきましても、従来の要件にて支給が受けられます。


3. 特定地域における支給条件が変わります

 本年10月に施行されます改正「地域雇用開発促進法」に基づき、「特定雇用機会増大促進地域」及び「緊急雇用安定地域」が廃止されたことにより、同地域に対する雇用調整助成金の支給特例措置も廃止されます。
 但し、本年10月からは、雇用に関する状況が急速に悪化しており、又は悪化するおそれがあるため、労働者の雇用の安定を図る必要がある地域としてて厚生労働大臣が指定する地域(雇用維持等地域)内に所在する事業所の事業主に対しては、支給対象とすることとしています。また、既に「特定雇用機会増大促進地域」又は「緊急雇用安定地域」とされている地域内に所在する事業所の事業主に対しては、指定期間内は従来の支給要件が適用されます。


4. 対象期間が変更されます

 従来、指定期間内に行った休業+教育訓練に対し、200日を上限として支給していましたが、10月からは、対象期間が1年間とされ、かつ100日を上限として支給するよう改められます。また、従来、指定期間内に行われていた出向に関しまして、出向期間に関わりなく支給上限期間が1年間と定められていましたが、10月からは、1年以内に復帰する出向のみ、支給対象となります。


5. クーリング期間が設定されます

 従来、厚生労働大臣による業種指定を受けている業種の指定期間は、1年間+再指定1年間(1回のみ)、また、次の指定まで6か月以上間隔をあけることとされていましたが、10月からは、対象期間を1年間とし、事業主が自身で始期を定めることが出来ます。対象期間終了後は、次の対象期間まで1年間以上間隔をあける(クーリング期間)必要があります。
 但し、雇用に関する状況が全国的に悪化したと厚生労働大臣が認めた場合には、クーリング期間の基準が「前の対象期間の終期から1年間」から、「前の対象期間内に最後に休業等又は出向を行った日から1年間」に緩和されます。


6. 助成内容が変わります

 本年10月から、教育訓練を受講する際の訓練費として支給する額が、3,000 円/人日から1,200 円/人日になります。


7. 申請手続き先は変わりません

 申請手続きは原則変わりません。従来通り公共職業安定所の窓口にて申請手続きを行って下さい。ご不明な点がございましたら、お近くの公共職業安定所にお問い合わせ下さい。

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