先進組合事業例集 外国人研修生共同受入事業

茨城県産業交流協同組合〔茨城県〕
鹿沼木工団地協同組合〔栃木県〕
高崎金属工業団地協同組合〔群馬県〕
銚子水産物共同購入協同組合〔千葉県〕
協同組合桜木センター〔神奈川県〕
新潟東地区鉄工協同組合〔新潟県〕
協同組合三条経営労務センター〔新潟県〕
サンタ協同組合〔長野県〕
静岡県重機建設業工業組合〔静岡県〕

茨城県産業交流協同組合〔茨城県〕
■住所 〒311-1712 行方郡北浦町繁昌48-3 ■設立:平成9年11月
■出資金:228万円 ■電話番号:0291-35-1118 ■FAX番号:0291-35-1117
■組織形態:異業種型組合 ■地区:茨城県 ■主な事業:異業種
■組合員:108人 ■組合従業員:7人 ■専従理事:1人
■URL: -

研修生に対するきめ細やかな気配りで脱落者ゼロを実現
外国人研修生受入事業は組合理事長の強力な指導のもと、組合員の研修生へのきめ細やかな対応で着実に成果 をあげ、受入規模も年々拡大し、日中両国の草の根経済交流に貢献中
 当組合では、外国人研修生受入事業を通して、組合員がこれまで培ってきた生産や管理技術の移転だけにとどまらず、日本の文化や伝統を伝える「草の根国際親善」を目指している。理事長企業が取引を通 じて豊富な知識を持ち、また漢字によるコミュニケーションが容易なことなどから、送出し国には中国が選ばれた。研修生の受入れに際しては、宿泊や研修のための施設の整備をはじめとして、研修講師や通 訳の確保など、万全の体制で望んでいる。平成10年5月に受入を開始して以来、現在までの受入回数は27回、受入研修生は348人となり、事業の規模は毎年コンスタントに拡大している。
 こうした成功の背景には、24時間体制の研修生のサポートをはじめとしたきめ細やかな対応に加え、理事長が、いわば「日本の父親」的存在として、研修生に対して人情味あふれる気配りを行っていることがあげられる。こうした積み重ねによって、受入事業開始から今日まで、ひとりの中途帰国者や脱落者を出すことなく、順調に事業を進めることができた。帰国後の研修生は、その大半が元の職場に復帰し、日本で学んだ知識・技術をもとに企業に貢献しており、中には上達した日本語を活かして、日本関連企業での貿易業務や通 訳に転じ、活躍している者もいる。
 年々拡大する受入規模に対応するため、ノウハウのマニュアル化や届け出データ等の電子化によって、組合と組合員双方が情報を共有し、円滑な運営体制を維持していくことが、今後の課題となる。

修了証 修了証
修了証を手にする研修生
修了証を手にする研修生

鹿沼木工団地協同組合〔栃木県〕
■住所 〒322-0026 鹿沼市茂呂2611-1 ■設立:昭和37年7月
■出資金:4,150万円 ■電話番号:0289-62-5171 ■FAX番号:0289-62-5174
■組織形態:工場団地組合 ■地区:鹿沼市 ■主な事業:建具・家具・住宅部材等製造業
■組合員:33人 ■組合従業員:5人 ■専従理事:1人
■URL:http://www.kmk-net.com

団地組合活性化に研修生受入事業が寄与
中国から若年の研修生を受け入れることにより技術協力・国際交流に貢献するとともに、併せて組合員企業及び団地組合全体の活性化に資する
 平成5年より技術協力に貢献する観点から、中国からの研修生受入れを始めた。今年度で第7次受入れとなり、延べ155名(うち69名は技能実習生に移行)の研修生を受け入れている。地元商工会議所を通 じて、研修生を受け入れていた組合員企業が数社いたことから研修生受入ニーズが高まり、組合が受入れ機関となり本格的に取り組むこととなった。組合では受入れに備えて、受入事業規約を制定、受入委員会を設置し、専務理事を中心に受入体制を整え、研修施設は組合講堂を使用し、宿泊施設は従業員用マンションを再利用することとした。なお、受入企業では、冷蔵庫・テレビ・寝具等の生活必需品を整え、住宅関連費用のすべてを負担している。研修内容は、主に日本語や労働安全衛生等の座学研修と、受入企業における建具・家具等の製作技術に関する実務研修である。実務研修には、経験豊かな熟練技術者(経験25年から30年以上の生産部長や生産部マネージャー)を研修指導員に選任している。生活指導員には、各企業とも労務担当のベテラン職員を配置し、研修生の生活相談やカウンセリングを担当させている。また、組合で委嘱した通 訳を通じて、研修修了後定期的に研修生のもとを訪問させ、生活全般にわたる相談に対応させるなど、トラブルの未然防止に努めている。受入事業を通 じて、組合では研修生の技術向上に貢献するとともに、受入企業においてもこれが国際交流の場となり、従業員にもよい刺激を与えている。なお、栃木県中央会の補助事業を活用し、受入初年度(平成5年度)に研修教材や機材等の整備を図っている。

高崎金属工業団地協同組合〔群馬県〕
■住所 〒370-1201 高崎市倉賀町2466-1 ■設立:昭和43年2月
■出資金:10,934万円 ■電話番号:027-346-1324 ■FAX番号:027-346-1323
■組織形態:工場団地組合 ■地区:高崎市 ■主な事業:鍍金、プレス、機械器具製造業
■組合員:16人 ■組合従業員:5人 ■専従理事: -
■URL: -

質の高い研修生受入事業の継続で、日中友好に貢献
中国大連市科学技術協会を窓口に、平成3年より研修生の共同受入事業を実施。10年間で延べ270人の研修生を受け入れ、研修成果 でも中国側から高い評価を得ている
中国大連市で開催された10周年記念式典
中国大連市で開催された10周年記念式典
 当組合は、金型・プレス・機械・鍍金など、金属関連業種が揃う工場団地組合である。工場集団化により、各組合員企業は最新鋭の機械設備を有し、組合は、工業排水処理施設、大気汚染防止施設を設置するなど、効率性の高い無公害工場団地として事業を展開している。
 当団地の視察をきっかけに、中国大連市科学技術協会から、金属加工技術及び公害防止対策等の管理システムについての研修生派遣受け入れ要請があり、平成3年5月、第1期生34名の研修生を受け入れた。現在までに受け入れた研修生は270名に上っており、組合及び組合員が一体となって、研修生共同受入事業が実施されている。
 組合は、当事業の実施に当たり、県・市・警察などに対して、技術指導、生活指導、防犯等のバックアップ依頼を行うとともに、受け入れ施設の整備、受け入れのための勉強会、研修実施要綱の作成、さらに、研修効果 をあげるための外部講師の招聘など、キメ細かい準備と受け入れ態勢を整備した。こうした関係機関の理解と協力、組合員企業の努力による積極的な体制作りが、研修生共同受入事業を成功に導いたといえる。
 なお、平成12年6月には、研修生受入事業10周年の記念式典が中国大連市において開催されるなど、質の高い研修事業の継続とその成果 を中国側も高く評価しており、日中友好にも大いに貢献している。組合員一体となった当事業の実施は、組合の活性化にも大きく寄与しており、今後の展開が期待される。

銚子水産物共同購入協同組合〔千葉県〕
■住所 〒288-0001 銚子市川口町2-6528-95 ■設立:平成10年9月
■出資金:500万円 ■電話番号:0479-20-0222 ■FAX番号: 0479-20-0233
■組織形態:産地組合 ■地区:銚子市他1市1町 ■主な事業:水産食料品製造業
■組合員:44人 ■組合従業員:740人 ■専従理事: -
■URL: -

理事長、事務局の熱意で中国人研修生を受け入れ
水産加工業の環境は厳しく、現状打開のため中国人研修生を受け入れ、理事長の強力な統率の下、公私にわたる指導を徹底し、国際貢献と組合従業員の活性化を目指す
 わが国水産業界は年々漁獲量が低下し、当組合も加工用原料確保のため共同購買事業を行う目的で事業協同組合を設立し、さらに中国人研修生共同受入事業に参入し、当組合独自の研修生に対する技術指導、技術支援により開発途上国の発展に寄与する等、国際貢献を目的として活動している。
 職場が研修の場となり外国人研修生受入が、組合員企業の従業員のモラール向上に役立ち、3k産業といわれる業界の従業員の意識改革によって、就労体質の改善が期待される。
 研修生の受入れに関しては、直接送出し機関に働きかけ、理事長はじめ組合役員が現地で施設の視察や研修生の面 接等を行い、最終選考を行った。
 運用面では理事長の強力なリーダーシップにより、研修生に対する習慣・生活指導のため中国人をはじめ、留学等現地生活体験者を事務局職員に配置し、さらに行政側と緊密な連携のもとで、特に危機管理(失踪、違法行為、事故、健康、アルバイト、市民生活等)対応をはじめ、公私にわたり親身になって面 倒をみた結果、研修効果もあがり、送出し機関の高い評価を受けている。
 一方では、送出し機関が研修生の事前教育(日本語教育、生活習慣、モチベーション管理)を十分するよう(財)国際研修協力機構、地方入国管理局を通 して前向きに検討を働きかけている。

富士山への受入研修旅行 日本間を会場に、家族的な研修場面
富士山への受入研修旅行 日本間を会場に、家族的な研修場面

協同組合桜木センター〔神奈川県〕
■住所 〒231-0062 横浜市中区桜木町1-1 ■設立:平成9年4月
■出資金:540万円 ■電話番号:045-201-7712 ■FAX番号: 045-201-8726
■組織形態:異業種型組合 ■地区:神奈川県、東京都 ■主な事業:製造業、サービス業
■組合員:19人 ■組合従業員:2人 ■専従理事:1人
■URL:http://www.bankin.or.jp/index2.htm

中国から継続的に研修生を受け入れる
中国から計7名(四川4名、無錫1名、遼寧2名)の研修生を受け入れ、組合員企業で研修する。目的は組合員企業の従業員の意識の国際化と中国企業への技術移転である
研修を受ける中国人研修生 研修を受ける中国人研修生
研修を受ける中国人研修生
 当組合は、神奈川県機械板金工業会が母体になり、平成9年4月に設立された。特記すべきは、板金企業とコンピュータ関連企業が同一組合を形成したことである。これにより、組合員の課題をコンピュータで解決しやすい環境になった。設立の背景には「板金業界の変化」がある。組合員は精密板金業を行う企業が多いが、この業界には熟練した技術と設備投資が求められており、昨今はさらに情報化装備が求められている。このため、当組合の組合員には、先進板金業者各社を中心に、コンピュータソフト会社も加わっている。現在の主な組合活動は、市場や商品の情報収集を行い、リスクのある海外取引や変化の激しい高度な技術分野に関しても、情報技術の提供や蓄積を行うことであり、さらに外国人研修生の受け入れである。
 外国人研修生の受け入れの目的は、今後組合員が国際化に対応するときに外国人との交流により、異文化に触れることで意識の向上を図り、外国企業に対しては、精密板金の技術移転を図ることであった。組合では、これらの実現のため、設立当初から研修生の受け入れを行っている。
 座学研修は (1) 日本語研修と (2) 安全研修が2大柱である。目標は (1) 買物や食事の注文など日常生活の基本的な場面 での簡単なやり取りができる、(2) 実習現場での簡単な指示が理解できる、(3) 漢字仮名交じりの短い文が読め、かつ書ける、(4)「立入禁止」「火気厳禁」「整理整頓」等の一部の漢字の表示が理解でき、かつ読める、である。この目的に沿って種々のカリキュラムを設けた。講師は、学校法人飛鳥学院に委託し、研修時間は8~17時で毎日実施し、年間673時間の研修を行った。
 成功要因は、(1) 外国人研修生受入事業が設立目的であったため、組合員の意識が統一されていたこと、(2) 送り出した国に組合員企業の合併会社があり、現地サポートが受けられたこと、(3) 組合員企業が受け入れの趣旨を正しく理解し、的確な研修を実施したことである。

新潟東地区鉄工協同組合〔新潟県〕
■住所 〒950-3134 新潟市新崎1-13-20 ■設立:昭和26年6月
■出資金:990万円 ■電話番号:025-258-6831 ■FAX番号: 025-258-6833
■組織形態:異業種型組合 ■地区:新潟市他4市3郡 ■主な事業:鉄工・機械製造業、食料品製造業
■組合員:63人 ■組合従業員:3人 ■専従理事: -
■URL: -

自前の研修センターを建設し中国から研修生を受け入れ
自前の研修センターを建設し、良好な住環境と積み上げられた研修ノウハウにより長年にわたり中国から研修生を受け入れ、両国の友好関係を樹立し国際貢献を果 たす
 昭和62年、現理事長が訪中時に中国国務院科学技術国際部の葉部長と知り合い、高度技能の修得を目的に中国人研修生の受け入れを要請された。
 平成2年、出入国管理法が改正され、協同組合において外国人研修生の受け入れが認められるようになり、当組合においても受け入れ事業を開始した。
 平成6年、組合事務所併設の研修センターならびに宿舎を建設し、良好な住環境の提供と充実した研修が行えるようになった。
 受け入れ開始の平成3年から現在まで、延べ18回(年2回)208名を受け入れており、11年度においては19名を受け入れた。研修期間は12ヶ月で、延べ2、100時間の研修を実施している。
 また、平成11年度の技能実習への移行は、10社11名となっている。
  研修内容は、日本の生活知識や健康管理、買い物と法律、日本文化、交通 法規などの基礎講座と、防災関連や挨拶と日常用語等の日本語講座を座学研修として700時間実施している。
 実務研修では、各受け入れ企業において技術指導係と生活指導係を置き、それぞれが組合実施の基礎講座を補いながら、仕事の心構えや進め方あるいは技術的な指導を行っている。
 研修生を受け入れた長年にわたる実績は、組合員企業間の理解と信頼を高めるために大きく貢献している。

日本の交通法令講習 実務研修
日本の交通法令講習 実務研修

協同組合三条経営労務センター〔新潟県〕
■住所 〒955-0081 三条市東裏館2-1-33 ■設立:昭和63年4月
■出資金:663万円 ■電話番号:0256-32-1291 ■FAX番号: 0256-32-3610
■組織形態:異業種型組合 ■地区:三条市他3市5町1村 ■主な事業:商業、工業、サービス業
■組合員:364人 ■組合従業員:14人 ■専従理事:3人
■URL: -

フィリピン人研修生受け入れによる技術移転と国際貢献
帰国後、昇進・昇格し技術指導者として活躍する人、日本滞在中に貯蓄した資金で新規事業を興す人が多い。また、研修生との地域交流も盛んである
パンフレット フィリピンの地図
パンフレット フィリピンの地図
 県央地域は早くから国際化が浸透しており、商工会議所の紹介がきっかけとなって、1995年からフィリピンより研修生を受け入れている。座学研修は日本語研修を中心として防災・防犯講義などを実施し、実務研修は、各受入企業において職種に沿って目標計画に基づきOJTにより実施している。また、安全衛生教育やメンタルヘルスケア及び負傷や疾病に対する補償も完備されている。さらに、バスケットボールや清掃などを通 じて地域との交流も図っている。
 事業の成果としては、1. 帰国後、元の会社において昇進・昇格し技術指導者等で活躍していること、2. バスケットボールや清掃などを通じて地域との交流が図られていること、3. 日本とフィリピンとの国際交流に貢献していることである。また、成功要因としては、1. フィリピンは、近隣国の中では資質が高い人材が多く、日本に好感を持っていること、2. 一部の県央企業が研修生受入以前に交流を行っていたこと、3. 優秀な人材を送り出してくれること、4. 面接テストを受入企業の責任者が現地にて直接実施していること、5. 業種によって作業人員の確保が困難で、慢性的に入手不足が深刻なことが考えられる。
 今後、外国人研修生受入制度は継続され、受入研修生が増加すると予想されるので、研修生に対するきめ細かい対応が必要になり、フィリピン側の送り出し機関との良好な連携を継続していかなければならない。

サンタ協同組合〔長野県〕
■住所 〒386-0027 上田市大字常磐城2381-32 ■設立:平成11年1月
■出資金:100万円 ■電話番号:0268-23-2311 ■FAX番号:0268-23-2310
■組織形態:下請組合 ■地区:上田市、坂城町、丸子町
■主な事業:電気機械器具製造業、一般機械器具製造業
■組合員:8人 ■組合従業員: - ■専従理事: -
■URL: -

国際化時代に対応、外国人研修生の受け入れで成果
中国人の研修生を受け入れ、日本の企業風土への適応化に努力、日本の製造業における高品質・高生産システムの研修に力を入れる。それが職場の活性化にもつながった
 製造業のグローバルな展開と共に、中小製造業を取り巻く環境はますます厳しい。とりわけ高品質の維持とコストダウンとの要請とに応えられないと生き残れない。他方、優秀な製造スタッフの採用なしには企業の発展はないが、国内において優秀な高校卒の労働力を得ることは至難のわざである。
 こうした背景のなか、将来の海外事業展開への布石として自社の技術を習得した現地の人材の確保と受入国への技術移転のため、中国より外国人研修生(18歳から25歳)の共同受入事業に取り組んでいる。日本の製造業における高品質・高生産性のシステムに適応する外国人研修に取り組んだ結果 、職場の雰囲気も若々しい人材によって活気を帯びるなどの成果をあげている。
 現地での面接方法の工夫、宿泊施設の整備における諸配慮、メンタルヘルスケアにおける先輩の中国人社員の活用、日本語能力を向上させる社内システムの構築、実務研修における日本企業の生産システムへの早期適応化など、協同組合の外国人研修生共同受入事業のさらなる充実のために、運営ノウハウの蓄積のほか、組合専用の研修施設や宿泊施設などの建設も行っていきたいとしている。

先に企業で受入れたインドネシア人研修生等と共に、協同組合で受入れた中国人研修生達も、仲良く研修生活に励んでいる。 先に企業で受入れたインドネシア人研修生等と共に、協同組合で受入れた中国人研修生達も、仲良く研修生活に励んでいる。

静岡県重機建設業工業組合〔静岡県〕
■住所 〒422-8064 静岡市新川2-1-4 ■設立:昭和55年6月
■出資金:265万円 ■電話番号:054-285-9231 ■FAX番号:054-284-5381
■組織形態:非産地型商工組合 ■地区:静岡県 ■主な事業:機械土工工事業
■組合員:46人 ■組合従業員:3人 ■専従理事:1人
■URL:http://www.siz-sba.or.jp/seme/

機械土工専門事業者が築く、真の日中友好の架け橋
機械土工専門工事業者(下請け業者)が、中国の国土開発への技術移転の要請を受けて、『エコノミーではなく、カルチャーで』を合言葉に、機械土工技術研修生を受け入れた
座学研修
座学研修

重機を使用しての実務研修
重機を使用しての実務研修
 本事業は、静岡県と中国浙江省との友好交流の場から生まれた、土木工事業に従事する者相互の『友好と連帯』の事業である。
  静岡県下の機械の専門工事業者(県下の中小の下請建設業者)とその所属団体である静岡県重機建設業工業組合が、厳しい経営環境の中ではあったが、同じ土木工事に携わる者としての連帯から中国国土開発のため、機械土工工事・建設重機整備に伴う技術移転を図ることをねらいとして行われた事業である。  建設省等の施策的な援助もあったが、基本的には受け入れ事業所の大きな負担の中で、昭和61年から継続的に実施されており、まさに『エコノミー』ではなく『カルチャー』として取り組んでいる。
  研修期間の始めは、社団法人建設産業教育センターが受け入れて、日本語研修を主体して、日本の社会・文化・風俗・習慣等の研修と日常生活の訓練を行う。その後、組合が設立した職業訓練法人静岡県建設業能力開発協会の「静岡県建設学院」で、現場作業に伴う基礎的な集合訓練を実施し、受け入れ事業所において現場でのOJT訓練と安全訓練を実施している。
 また、研修生は訓練期間中も、受け入れ事業所周辺の住民との交流会が活発に行われ、相互に良い思い出を残している。
  終了し帰国した研修生は、習得した土木技術や建設重機修理技術を生かして管理的な部署につくなど活躍し、さらには習得した日本語能力を活用して通 訳等の分野で活躍している。
  組合員企業においては、研修生を受け入れることにより、幹部職員の教育指導への配慮による年産効率の低下等の影響はありながら、業務の見直し・教育訓練能力の向上等を図ることができ、日中友好の一端を担っていることが誇りとなり、経営体質の強化に貢献している。


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