先進組合事業例集 新たな企業組合

栗山ふる里物産センター企業組合〔栃木県〕
企業組合ワーカーズ・コレクティブ「アンティ」〔千葉県〕
環境マシネックス企業組合〔東京都〕
企業組合ワーカーズ・コレクティブキッズルームてぃんかぁべる〔東京都〕
企業組合ワーコレ・キャリー〔神奈川県〕
くらし、くりえいと企業組合〔新潟県〕
企業組合しおざわ異業種研究会〔新潟県〕
企業組合まっち絵具製造〔長野県〕
企業組合ふるさと薬膳森樹〔山梨県〕
身延竹炭企業組合〔山梨県〕
企業組合浜名湖えるだークラブ〔静岡県〕

栗山ふる里物産センター企業組合〔栃木県〕
■住所:〒321-2712 塩谷郡栗山村大字日陰596-2 ■設立:平成3年11月
■出資金:300万円 ■電話番号:0288-97-1868 ■FAX番号: -
■実施事業:地域の物産品を、観光土産品として販売 
■組合員数:15人 ■専従理事:1人 ■雇用従業員数:9人
■URL: -

村おこし事業に取り組む”ふる里物産センター“
鬼怒川・川俣両温泉の中間地(過疎地)にあり、地域住民が村おこし事業に取り組み物産センターを開設、協調性を発揮し観光客減少のなかで懸命な努力により成果 をあげている

 当組合は、村が地域活性化事業(村おこし事業)の一環として地元住民の就労の場を確保するため建設した”栗山ふる里物産センター“を村からの委託により運営している。組合員は自治会住民の有志15名で、素人ながら平成元年に任意組合を結成して開業し、平成3年業績拡大に伴い法人化したものである。
 当物産センターの立地環境は鬼怒川・川俣両温泉(約21km)り中間地で、山林に囲まれた地区で、温泉もなく不利な立地にあるといえる。組合員は、組合の設立趣旨を良く理解し、発足以来懸命に努力し、一時組合はかなりの隆盛をみた。近年、景気低迷もあり川俣温泉への観光客が年々減少し、物産センター前の通 行客も少なくなっているが、このような中でも無借金経営を堅持し、堅実な経営を行っている。その理由として、組合員の協調性・人間性に加え、文字通 り相互扶助の精神、企業組合意識の高揚があげられよう。なお、観光客減少を背景とした売上の減少に対し、どう歯止めをかけるかが今後の大きな課題であるが、その対策として、当面 次のような取り組みが望まれる。

  1. 通行客に当物産センターを強くアピールする看板を設置するとともに、隣接する村営トイレ・休憩所の案内をよりわかりやすく表示し、休憩滞留する観光客の誘客を図る。
  2. 村の協力を得て、店舗裏の景観(滝の見える絶景)や、店回りの有効活用(カフェテラス設置等)を図る。
  3. 地元産品・手造りの味・季節品等新製品開発を含めた製品戦略を一層進める。
栗山ふる里物産センターパンフレット表紙と内容
栗山ふる里物産センターパンフレット表紙と内容

企業組合ワーカーズ・コレクティブ「アンティ」〔千葉県〕
■住所:〒261-0001 千葉市美浜区幸町1-16-19 ■設立:平成3年6月
■出資金:373万円 ■電話番号:043-245-1240 ■FAX番号: -
■実施事業:手作り弁当・惣菜の製造、宅配及び店頭販売、喫茶飲食事業
■組合員数:12人 ■専従理事:11人 ■雇用従業員数:2人
■URL: -

仕事と家庭の両立を目指し、主体的に参画する主婦の組合
安全で家庭的な弁当、惣菜、喫茶の提供を事業の中心とし、消費生活の向上を目指して、自らの出資により主体的な経営参画を果 たしている女性によるワーカーズコレクティブ
■設立の背景
 1980年代から高まってきた食生活の安全性の確保や、環境保全のための生活者の視点による消費生活改善運動を背景として、各地区において生活協同組合の活動拠点が次々に設置された。これを契機として、生協利用者として出資する立場から一歩踏み出して、企業組合の一員として出資することで自らの職場を確保し、志の同じパートナーと共に事業経営に主体的に参加できる組織が生まれた。

■活動の内容
 アンティはこうしたワーカーズコレクティブの先進的組合である。女性には出産、育児、夫の転勤等、継続的に働くのが困難な要因があるが、組合員相互のコミュニケーションの強化と、様々なワーカーズグループとの連携によって克服し、仕事と家庭生活の両面 の目的を堅実に達成している。そこには仕事の自己責任の明確化を図りつつ共同事業に参加する新しい女性像がみられる。
 アンティは地域顧客のニーズを的確に捉え、他店にはない安全な素材と家庭的でオリジナルな味覚を提供し創業以来14年間着実に実績を伸ばしている。

■成功要因
 この成功要因としては、弁当、惣菜メニューの開発に対する積極的な取り組みにある。組合員同士の日々のメニューの開発はもとより、ワーコレ千葉連合会の惣菜ミーティング研修や共同仕入プロジェクトには毎回出席するとともに惣菜サービスデー、今月の感謝メニューの実施により顧客ニーズの吸い上げに努力している。また、事業計画の明確な設定と見直しのシステムの確立、多様な組織からの価値ある情報の吸収と組合員に対する還元も成功の要因である。今後は組合員の高齢化や事業分担に課題もあるが組合員の熱意とネットワークで克服していくことが期待される。

環境マシネックス企業組合〔東京都〕
■住所:〒261-0001 〒101-0046 千代田区神田多町2-7-3 三好ビル高崎事務所内
■設立:平成7年12月
■出資金:100万円 ■電話番号:03-3254-8225 ■FAX番号:03-3254-8225
■実施事業:廃プラスチック油化装置の開発
■組合員数:4人 ■専従理事:3人 ■雇用従業員数:4人
■URL: -

東京都も保証した技術は、廃プラ油化装置に結実
大会社では造れない製品を、経験と技術と意欲を持った組合員が寝食を忘れて完成したプラスチック油化装置。評価はこれからだが、中小企業者への環境問題解決への手伝いもまもなく始まる
 バブル崩壊の波が1番高かった平成7年、志なかばで会社を退職した有能なエンジニア4人が中小企業の環境問題に着目し、解決の手助けができる装置を開発しようという目的を持って企業組合を結成した。
 組合設立時に計画した開発製品はプラスチック器具類の塩化ビニールを対象とした熱分解炉であった。幸い財団法人日本化学繊維検査協会の後押しがあったものの、資金面 の裏づけがとれず組合員が他社へ出向等をしながら資金作りをするなど、大変な苦労を重ね、5年後に製品を完成させた。
 完成後、埼玉県の入間川のプラント装置で実験販売を開始することになり、引合いも数社から受けるまでに発展した。これらが組合発展の緒となりさらに事業を充実させ、中小企業への貢献と実益に結びつけることによって組合の確実な進路が定まり、新たな企業組合としての姿が浮き彫りにされることでこれからの企業組合の活力・見本となることは間違いない。

東京都産業技術大賞授賞式 賞状
東京都産業技術大賞授賞式 賞状
企業組合ワーコレ・キャリー〔神奈川県〕
■住所:241-0025 横浜市旭区4季美台19-2  ■設立:平成10年3月
■出資金:2,414万円 ■電話番号:045-363-5053 ■FAX番号:045-366-4826
■実施事業:一般貨物運送業、食品等販売事業
■組合員数:47人 ■専従理事: - ■雇用従業員数: -
■URL: -

運輸業からスタート、フルーツ販売にも着手
生活クラブ生協の農産物の配送からスタートし、業績を順調に伸ばしてきた。荷主に頼らない独自のフルーツ販売事業にも着手し、次はインターネット通 販に挑戦する
 主な事業は、生活クラブ生協の商品を各班向けに配送する輸送事業であり、安定的な業務量 がある。農産物の配送からスタートし、最近では牛乳の取扱いも始めるなど、扱う荷物の幅も膨らんでいる。
 2000年からは新規事業として、果物の宅配便販売「四季のフレッシュ・フルーツ便」を開始した。この事業の意義は、組合からみると「荷主依存体質からの脱却」であり、自らが荷主になることで、これまで以上に安定した配送が可能になる。事業目標としては、1回5,000円のフルーツの宅配を年6回受注し(一顧客あたり年間3万円)、この顧客を400名確保することとした。実際には300名の顧客に留まったが、それでも900万円の売上高になり、初年度にしては成功と言えよう。
 このように成功している要因としては、
  1. ワーカーズ・コレクティブという組織が参画型の組織であること
  2. 理事長のリーダーシップが発揮されていること
  3. 生活クラブ生協という安定した荷主から荷物を請負っていること
  4. 組合員が全員女性であり、配達する際にも主婦(顧客)の視点が常に念頭にあるためきめの細かいサービスが提供できること
  5. 内部の団結力が強く、自主管理、自主運営が徹底していること
    などがあげられる。
     今後の方向は、物販強化である。理由は運送業は荷主の業況次第で荷の量 が変化し業績が不安定になりがちであり、これを脱して安定収益構造にするためである。2000年から開始した「四季のフレッシュ・フルーツ便」は、2001年からはインターネット上で注文を受け付けることも検討している。
ワーコレ・キャリーのメンバー 四季のフレッシュフルーツ便パンフレット
ワーコレ・キャリーのメンバー 四季のフレッシュフルーツ便パンフレット

くらし、くりえいと企業組合〔新潟県〕
■住所:〒950-2002 新潟市青山5-8-3  ■設立:平成12年4月
■出資金:330万円 ■電話番号:025-234-0338 ■FAX番号:025-234-0335
■実施事業:暮らしに関するコンサルティング
■組合員数:5人 ■専従理事:3人 ■雇用従業員数: -
■URL:http://www.kurashi-niigata.gr.jp/

消費者の視点に立った暮らしのコンサルティング
住まいや暮らしに関わる専門コンサルタントが集まり、ITを活用したワンストップサービスを通 して、消費者視点でのコンサルティングにより顧客満足を実現した
 住まい作りや資産形成等は、人生設計において大変重要な位置を占めているにも拘わらず、住宅メーカーや金融機関からの提案に頼らざるを得ない状況である。これは、身近に相談できるアドバイザーが存在していないことが要因の1つと考えられる。そこで、一般 消費者が抱える「暮らし」や「住まい」に関する相談について当組合が専門コンサルタントを紹介し、当組合の協賛企業からのコンペを実施し、適切な業者の選別 を行う。この結果、消費者が満足する価格やサービスを提供できる。具体的な流れは、1. 専門コンサルタントがお客様の意見や希望を聞き、ライフスタイルにあったプランをお客様と一緒に考える、2. 提携業者で設計図、仕様書、見積書を比較検討する(当組合がアドバイス)、3. 業者決定、といった手順となる。
 成果としては、1. 住まいや暮らしに関してのワンストップサービスの実現、2. メーカー、施工業者と消費者がお互い満足できる事業の仕組みを構築できたこと、などがあげられる。また、成功要因としては、1. 住宅に関して消費者の満足度が低かったこと、2. 外部専門家と連携ができたこと、3. 電子メールやホームページの活用といったIT化に積極的であること、4. 「新潟県くらし改善協議会」からの消費者情報を入手できることなどがあげられる。
 今後は、IT技術の活用による1. 電子メールの有効活用、2. ホームページの充実、3. 顧客情報のデータベース化、4. 顧客とのネットワークを図っていく必要がある。

企業組合しおざわ異業種研究会〔新潟県〕
■住所:〒949-6408 南魚沼郡塩沢町大字塩沢268-3 ■設立:平成12年4月
■出資金:40万円 ■電話番号:0257-82-1699 ■FAX番号:0257-82-1699
■実施事業:特産品の製造・販売(塩沢紬を利用した衝立、屏風等)、農産物販売(コシヒカリ等)、損保代理店
■組合員数:6人 ■専従理事:1人 ■雇用従業員数: -
■URL:http://www.dpl-jp.com/s-dis/

塩沢紬と建具技術を融合、インテリア商品が完成
町の特産品コンテストで町長賞を受賞。塩沢紬を使用した工芸品の試作を依頼され、受託企業体として企業組合を設立。多様な事業展開で地場産業の振興に貢献
 平成11年、塩沢町主催の特産品コンテストに、友人と共同製作し出品した塩沢紬を利用した衝立が町長賞を受賞。その商品化のため町から試作品作成を依頼され、受託企業体として企業組合を設立した。
 町から委託を受けた塩沢紬を利用した工芸品の開発においては、約30点の試作品を完成。インターネットを活用した市場調査や、町による製品の展示やパンフレットの作成配布などのPR活動が行われており、商品化の段階に進んでいる。
 その際、CGによるデザイン設計など新たな手法も取り入れており、また開発段階において培われた塩沢紬と建具の融合技術は、建築内装分野(和風飲食店や茶室、旅館等)などにも応用でき、技術の広がりがみられた。
 消費者による商品評価はこれからであるが、和風内装やバリアフリー家具・建具の提案にこれらの技術を生かすことができれば、新たな需要を生み出すきっかけになるものと思われる。
 その他の組合事業としては、地元農産品(コシヒカリ等)の直販、ならびに染色・製織の外注管理受託等を行っており、地域の農産品の良さを消費者に直接伝える掛け橋として、また需要低迷により縮小する絹織物工業の活性化に貢献している。

試作品 塩沢紬使用の衝立
試作品 塩沢紬使用の衝立

企業組合まっち絵具製造〔長野県〕
■住所:〒389-0811 埴科郡戸倉町須坂474-1 ■設立:昭和48年5月
■出資金:500万円 ■電話番号:026-275-1744 ■FAX番号:026-276-6193
■実施事業:水彩絵の具製造販売
■組合員数:14人 ■専従理事:1人 ■雇用従業員数:1人
■URL:http://www.alps.or.jp/match/

インターネットの活用による新たな飛躍
商品に独自性があっても販売力に劣る中小企業の弱点をインターネットを活用し、組合による特色あるコンテンツの創作により新規顧客の獲得に成果 をあげている
組合ホームページ「まっち美術館
組合ホームページ「まっち美術館」

ホームページ内のギャラリー
ホームページ内のギャラリー
 組合の商品である「まっち」ブランドの水彩絵の具は、その色調と安全性で市場では高い評価を受けている。しかし大企業との競合、加えて最近の少子化の影響もあり売上は減少気味の状態で、従来の問屋ルートに新たなルートを加えることを考えていた。目を付けたのは、個人・学校等に問屋を通 さない独自の購買ルートが存在する点であった。この需要をインターネットによる直販を通 じ新しい市場を開拓すべく活動しているのが現在の組合の姿である。
 インターネットの構築・運営について長野県中央会の支援・指導を受けつつ研究する中で、発信情報の核となるコンテンツの重要性に気づき、絵の具メーカーに相応しい独自の内容を持つコンテンツを創出した。即ちホームページ全体を「まっち美術館」と名付け、その中に顧客の作品を展示する「ギャラリー」、子供のための「紙芝居の部屋」、絵の具や画材に関する知識を啓発する「絵の具の図書館」、さらには研究者、得意先、ユーザー、館長(理事長)がそれぞれ絵の具、画材等についての意見交流ができる「交流の部屋」等を開設し、絵を中心とするバーチャル空間を形成している。商品販売は、その空間の一隅に設けたショールームに商品のコンセプトを説明した「商品カタログ」を展示しているに過ぎない。全体として商品販売の色彩 を弱め、商品に寄せる企業ビジョンを強く滲ませている。これらコンテンツの内容はこれまで理事長自らが消費者、学校等に接触して得た経験を基に制作されているだけに共感を呼び、アクセス件数も増え、確実に新規顧客の開拓に役立っている。


企業組合ふるさと薬膳森樹〔山梨県〕
■住所:〒408-0044 北巨摩郡小淵沢町2968-1 ■設立:平成9年7月
■出資金:89万円 ■電話番号:0551-36-6111 ■FAX番号:0551-36-6116
■実施事業:レストラン経営
■組合員数:59人 ■専従理事: -■雇用従業員数:2人
■URL: -

中高年女性による薬膳料理で地域おこし
食文化を通して健康を考える女性たちが、地域の農産物の生産、加工食品の開発、レストラン経営にチャレンジして、農村社会の活性化を目指す

 中高年女性で組織されている当組合は、食文化と健康問題について取り組む中で、自らの手で健康な食生活を提案する薬膳料理レストランを始めた。地域農産物の生産から加工に至る食材の調達を組合内でできるだけ果 たそうとしている。そのことは、正に地域農村社会の活性化につながるものである。
 レストランの業績は、順調に推移してきている。平成11年度における売上高は50,879千円で、前年度比9%以上の伸び率である。12年度の予測においても増加することが見込まれている。
 当事業の成功要因として、次のようなことがあげられる。

  1. 立地および施設環境に恵まれたこと
  2. スパティオ小淵沢(リフレッシュ・ビレッジ事業の中核施設)内の各施設との相乗効果
  3. 公的機関の支援策の活用
  4. 地域色をアピールすることによる観光客の支持
  5. 健康ブームと薬膳料理というコンセプトが消費者ニーズに合致したこと
  6. 田舎のおばさんたちの商売が消費者に新鮮に映ったこと(人的資源の活用)
今後の課題としては、経営管理能力を高め、調理技術、接客サービス等の向上を図るとともに、店舗構成の改善を検討していくことである。また、インターネットの活用等による販売促進策も重要である。

身延竹炭企業組合〔山梨県〕
■住所:〒409-2413 南巨摩郡身延町角打ウツギ2635-2 ■設立:平成11年7月
■出資金:114万円 ■電話番号:05566-2-3611 ■FAX番号:05566-2-3612
■実施事業:竹炭製品の製造・販売
■組合員数:45人 ■専従理事: -■雇用従業員数:3人
■URL: -

高齢者が地域資源を活用した竹炭製造販売で実績
元サラリーマンたちが得意分野の知識や技術を生かして、今話題の健康に良い竹炭製品の開発に取り組み、起業精神の発揮と雇用の場の確保を実現

 当組合は、県下でも元気の良いことで評判である。高齢者による起業としての話題性もさることながら、時代性にマッチしたその事業内容を評価すべきであろう。健康志向という社会的ニーズを捉え、竹炭ばかりでなく竹酢液・インテリアにもなる装飾品、竹炭入り羊羹まで開発している。
 発足当初は、組合員は無給を覚悟で参加するつもりでいたが、事業が順調に業績を上げ、現在では組合員全員が時給700円の報酬で当事業に従事している。また、高齢社会が進展する地域での高齢者雇用の創出が実現し、活力ある地域社会のモデルケースにもなっている。このような当事業の成功要因として、次のようなものがあげられる。

  1. 組合員の『生きがい創造』意識の共有
  2. 理事長の人望と強力なリーダーシップ
  3. 高齢者であっても、多様な人材の集団であること
  4. 大学や県工業技術センターの支援等による研究・技術の開発
  5. 社会的ニーズの把握のためのマーケティング
  6. 国、県、町の資金的支援
 今後の事業ビジョンとしてラオスへの技術供与、竹炭ギャラリーの開設による観光・文化構想がある。

企業組合浜名湖えるだークラブ〔静岡県〕
■住所:〒431-0431 湖西市鷲津332-8 ■設立:平成10年4月
■出資金:110万円 ■電話番号:053-576-0637 ■FAX番号:053-576-3981
■実施事業:高齢者による中小企業向けコンサルティング業
■組合員数:35人 ■専従理事:2人 ■雇用従業員数: -
■URL: -

平均年齢66歳! 高度な知識・経験を持つ専門家集団
高齢社会を迎え、能力・やる気のある高齢者の再雇用が課題となっている。当組合では能力の最大発揮と地域貢献を目的に高齢者がコンサルタントとして生き生きと働いている
 湖西市は静岡県下では有数の工業集積地帯であり突出した工業生産高を誇る地域である。しかし、長引く不況と産業の構造改革が進む中、中小企業の多くは新たな合理化・体質改善を迫られている。しかし、中小企業の多くはそのためのノウハウや知識が不足しており、未だ有効な手立てが見つかっていない。一方で、高齢社会が進展する中で、企業を退職した優秀な社員が増え、彼らの能力を再評価・再活用する気運が高まっている。
 中小企業のニーズと高齢者の雇用機会をマッチさせるために、湖西市商工会では平成7年の労働省による高齢者雇用促進事業をもとに、高齢者雇用職場作りに取り組むことになった。そこで地元企業のOBたちをコンサルタントとして地元企業に派遣し、中小企業の体質改善を図る事業がスタートした。
 事業内容は主に静岡県西部地区を中心にした地域の中小製造業に対し組合員を派遣、派遣先企業の技術・管理・経営等の指導を行う。組合員は直接企業に巡回し、現場にて指導を行い、改善策を提示する。指導内容が地元中小企業の現状に沿った提案を行うため、地元企業における評価は非常に高い。また、指導料も地域奉仕の経営理念に鑑み、民間コンサルティング会社の指導料に対し格段に安い料金に抑えられている点も見逃せない。最近では、情報化に関する指導やISO9000の認証取得指導にも積極的に取り組んでいる。
 今後は組合員の増強を図り、関連先企業のニーズにきめ細かく応えていく予定である。また将来的には、各地に同様の企業組合を作り、それらが連携する連合会方式で業容の拡大を図っていくことも視野に入れている。


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