第二次長野県中期総合計画の概要



第1 計画の趣旨、性格及び期間

1 計画策定の趣旨
  • 環境、教育、福祉など県政を取り巻く課題に的確に対応するとともに、豊かな自然や充実した社会基盤等の優れた資質を生かし、新世紀の幕開けにふさわしい県づくりの方策を明らかにする。

2 計画の性格

  • 「2010年長野県長期構想」を具体化する第二次の中期計画
  • 県政運営の基本となる総合計画
  • 県民の自主的・積極的な参加を期待

3 計画期間

  • 平成12年度から16年度の5か年



第2 計画の基本方向

1 時代の潮流

 (1) 変革と知恵の時代
創造的な変革と知恵でチャンスを広げることができる時代
 
 (2) 多様性の時代
様々な分野で「画一性」よりも「多様性」が大切にされる時代
 
 (3) 情報の時代
ネットワークを通じた情報や知識の共有・流通により、様々な価値が創造される時代
 
 
 (4) 地球の時代
日常生活や経済活動を地球的な視野で考えるとともに、自らのアイデンティティを見つめ直すことが求められる時代

2 未来につなぐ長野県らしさ

 (1) 水と緑の連携軸「ながの」
河川と森林が県境を越えて織りなす連携の中心
 
 (2) 人づくり熱心県「ながの」
全人教育や生涯学習をはじめ、産業、保健・医療・福祉などあらゆる分野における熱心な人づくり
 
 (3) 文化・産業多彩な「ながの」
広大な県土と複雑な地勢がはぐくんできた多彩な文化とバランスのとれた産業構造
 
 (4) いきいき長生き「ながの」
いきいきと働きながら丈夫に暮らす、世界トップレベルの健康長寿県
 
 (5) 広がる交流のステージ「ながの」
高速道路網の飛躍的な進展やオリンピック・パラリンピックを契機とした新たな交流の拡大

3 これからの県づくりの方向

 (1) 基本的視点
多様性が大切にされる、やさしい社会
誰もが個人として尊重され、個性や能力を生かして活躍できる社会の形成、都市や農山村の持ち味が存分に発揮される地域づくりなど、画一的なものさしでは計れない多様性こそが大切にされる、包容力のあるやさしい社会をめざしていく。
 
夢に挑戦し、希望が共有される社会
時代の転機を新しい飛躍へのチャンスととらえ、一人ひとりが未来に向かって挑戦でき、明るい希望や安心感が人から人へ、地域や世代を超えて共有される社会をめざしていく。
 
 (2) 基本目標

  「みんなのために未来のために」

基本目標実現のための施策体系




第3 計画推進の基本姿勢

 1 パートナーシップによる県づくり
  • 個人、NPOや企業、市町村とのパートナーシップ(役割の分担と対等な協力関係)による県づくり
  • パートナーシップ形成のための情報公開・情報発信
  • 計画の周知、計画の進捗状況等についての公表と県民からの意見・提言の機会の充実
 2 行財政の効率的運営
  • 財源の安定的な確保、効果的・重点的な配分
  • 「長野県行政改革大綱」による組織のスリム化と事務の効率化
  • 民間の資金、ノウハウを活かした施設整備等の新たな手法の研究
 3 分権型行政運営の推進
  • 国からの権限委譲への対応、一層の権限委譲と自主財源拡大への取組み
  • 県民が地域づくりの主役となる分権型社会にふさわしい意識の醸成
  • 職員の経営感覚や幅広い視野、政策形成能力の養成
  • 広域連合の充実や地域の実情に応じた自主的な市町村合併など広域行政の推進
 4 基盤の有効活用の促進
  • 県民サービスの向上に視点をおいた施設運営と、蓄積された基盤をより有効に活用するためのソフト施策の推進
 5 交流でひらく県づくり
  • 県内各地域における交流や県境を越えた交流の拡大と、世界を視野に入れた県づくりの推進



第4 人口、経済、財政投資の見通し

1 人口
区  分 H11(1999)(実績) H16(2004)(推計) 備  考
総  人  口 2219千人 2243千人 年平均伸率0.2%
高 齢 化 率 21.0% 22.6%  
総 世 帯 数
(一世帯当たり人員)
762千世帯(2.9人) 816千世帯(2.7人)  
注)各年10月1日現在

2 経済
区  分 計画期間中伸率 備  考
経 済 成 長 率 年平均1.7%  
一人当たり県民所得 年平均1.7% (H9)3067千円

(H16)3304千円

3 財政投資
財政投資見込額 16300億円
  普通会計 一般会計
特別会計
15800億円
企業会計 病院事業会計
企業局の事業会計
500億円



第5 戦略プロジェクト

変革の時代をきり拓いていく「先導性」、長野県らしさを一層伸ばしていく「創造性」、多くの分野が相互に連携して効果を発揮していく「総合性」を視点に、長期的な展望のもと、計画期間中の県政運営において重点的に取り組んでいく施策についてとりまとめた。

 1 新世紀を拓く人づくりプロジェクト
創造性あふれる人材を育成するとともに、生涯を通じた自己実現を応援する。
 
 2 生涯安心いきいき福祉社会プロジェクト
高齢者・障害者の社会参加や介護サービスの充実、子育て環境の整備などを各分野連携して取り組む。
 
 3 地球にやさしい循環型社会プロジェクト
県民、事業者、行政の一体的な取組みによって、持続的に発展する循環型社会の実現をめざす。
 
 4 信州コミュニケーションネットワーク構築プロジェクト
高度情報化の推進により、行政事務の効率化と行政サービスの向上を図る。
 
 5 広がる交流つながる連携プロジェクト
県内外との交流・連携を進め、長野県の活力と魅力を一層高めていく。
 
 6 知恵で創る産業立県プロジェクト
商工業、農林業、観光関連産業をはじめ、あらゆる産業分 野で新しい価値を創造していくための意欲的な取組みを応援する。
 
 7 日本のふるさとプロジェクト
『日本のふるさと』信州の農山村を保全し、その魅力を全国に発信する。
 
 8 パートナーシップながのプロジェクト
個人、NPO、企業、市町村と対等な協力関係のもとで県政を推進する。そのための基礎として、行政評価に取組む。



第6 施策の展開

1 未来をはぐくむ資産
項 目 主 な 施 策
豊かな
環境の
保全
  • 環境基本計画の改定
  • ISO14001の認証取得
  • ダイオキシン対策の強化
  • 廃棄物処理施設の整備や不法投棄に対する取締まりの強化
  • 環境問題に対する意識の高い企業と連携した森林整備
  • カモシカなど特定鳥獣の保護管理計画の策定
個性が
生きる
人づくり
  • 総合学科の設置など個性ある高校づくりの推進
  • 高等学校ごとの目標実現への支援やティームティーチングの充実など学力向
  • 上の推進
  • 稲荷山養護学校の改築
  • 諏訪東京理科大学や松本大学設置への支援
  • 子ども未来センター(仮称)の整備
可能性が
広がる
地域づくり
  • 広域連携型の地域づくりへの支援、新千年紀記念行事の実施
  • 市街地再開発、まちづくり支援などによる中心市街地活性化
  • 道路、下水道等の整備による快適な農山村づくり
  • 中山間地域農業直接支払制度による農山村の多面的機能の維持
  • 情報発信やグリーンツーリズム等による都市農村交流の推進

2 新しい価値の創造
項 目 主 な 施 策
時代の
ニーズに
こたえる
産業づくり
  • 創業支援センター等による新産業の創出・育成支援
  • 工業関係試験場の機能充実、食品工業試験場の移転改築
  • 商店街の基盤整備への支援
  • 地域営農システムの構築や農業経営基盤の強化、園芸王国づくりなどの推進
  • 森林整備や担い手確保、県産材の利活用
  • 学習旅行の誘致、広域観光の推進
生活を彩る
文化と
スポーツの
振興
  • 東山魁夷館開館10周年記念事業の実施
  • サイトウ・キネン・フェスティバル松本の開催
  • 信濃美術館の改築
  • 松本平広域公園内への総合球技場の整備
  • 長野オリンピック記念基金を活用した各種国際競技大会の開催支援
高度
情報化
の推進
  • 信州コミュニケーションネットワークの構築
    ・市町村等と連携した行政情報ネットワークの整備
    ・マルチメディアを活用した行政サービスの提供
    ・CATVの高度化の支援など地域公共ネットワークの整備促進

3 安心のネットワーク
項 目 主 な 施 策
健康に
暮らせる
社会づくり
  • 須坂病院脳神経外科の新設、こども病院周産期医療施設の整備、木曽病院療養型病棟の整備、駒ヶ根病院の改築に向けた検討
  • 看護大学大学院博士課程の設置
  • 衛生公害研究所の移転改築に向けた検討
みんなで
支えあう
福祉社会
づくり
  • 介護保険の円滑な運営、自立支援・介護予防等の促進、介護サービス基盤の整備
  • 特別保育対策など保育サービスの充実、児童虐待の防止など児童相談体制の強化
  • 障害者の自立支援、西駒郷の改築に向けたあり方検討
活力を
生む労働
環境づくり
  • 佐久・伊那勤労者福祉センターの整備

4 安全で快適な生活空間
項 目 主 な 施 策
快適さを
生み交流を
広げる社会
基盤整備
  • 高規格幹線道路、北陸新幹線、リニア中央新幹線、松本空港の利便性向上など高速交通網の整備促進
  • 地域高規格道路、国県道、農林道など地域道路網の体系的な整備
  • しなの鉄道更埴新駅設置への助成
  • 下水道、都市公園、県営住宅等の整備
  • 動物愛護センターの運営
安全な
暮らしの
確保
  • 治山・治水対策、砂防・地すべり・がけ崩れ対策の推進
  • 地震対策基礎調査の実施など防災体制の強化
  • 新交通管理システムなど交通安全施設の整備

5 世界と歩む共生社会
項 目 主 な 施 策
国際性
あふれる
社会の形成
  • 国際交流員、外国人英語指導助手の招致と活用
  • 文化・学術・スポーツなど国際交流の推進
誰もが
活躍できる
社会の実現
  • 男女共同参画社会の形成に向けた計画の策定
  • 高齢者や障害者の社会参加の促進
  • ボランティア交流センターながのの土日開所、NPO活動の支援
人権が
尊重される
差別のない
社会づくり
  • あらゆる場を通じた人権教育の推進と人権意識の普及啓発
  • 人権啓発センター(仮称)の整備



第7 各地域別の特性と発展方向

地域 キャッチフレーズ 施 策 展 開 の 柱
佐久 新しい夢と希望が広がる
高原の快適生活圏
  • 交通・情報ネットワークの整備と自然環境を生かした産業の振興
  • 豊かな自然の中で安心して暮らせる地域社会の形成
上小 新たな価値をはぐくむ
歴史とマルチメディアの里
  • 自然と歴史が生きる新しい価値を生み出す地域の創造
  • 未来へ広がる交流のネットワークづくり
諏訪 自然と未来技術が織りなす
快適ゆとり創造圏
  • 変化に富んだ自然環境の保全と快適な地域づくり
  • 未来を先取りする先端技術産業の形成
上伊那 豊かな自然多彩な産業
心をはぐくむ交流の郷
  • テクノロジーと自然の恵みがはぐくむ産業の振興
  • 交流の拡大とやすらぎのある生活空間の創造
飯伊 多彩な自然と地域文化で築く
三遠南信の拠点南信州
  • 豊かな自然や個性ある文化とふれあえる交流の地域づくり
  • 地域に根ざした活力ある産業づくり
木曽 歴史と文化に彩られた
みどりの交流・創造フィールド
  • 交通・情報基盤や流域・街道によるつながりを生かした交流の拡大
  • 森林資源、伝統技術など地域の特性を生かした産業の振興
松本 自然・人・文化が対話する
やさしく快適なアルプス都市圏
  • 学術・文化・スポーツを通じた国際交流拠点づくり
  • 快適な生活環境づくりと地域間交流の拡大
大北 自然と共に新世紀を
心豊かに生きる
北アルプスの里
  • オリンピック・パラリンピックの財産を未来に生かす地域づくり
  • 豊かな自然環境と資源を共有する産業の振興
長野 感動のときから
輝きとうるおいの未来へ
  • 世界が集う、心ふれあうまちづくり
  • 高度な都市機能とふるさとの自然が調和した地域づくり
北信 未来に広がる交流エリア
ふるさと北信州
  • 北信州新時代を拓く交流エリアの形成
  • 自然と共生する快適なふるさと空間の創造



第8 達成目標

県民生活にかかわりの深い主な項目の、平成16年度における目標値は次のとおりです。

中期総合計画についてのお問い合わせ等は、県企画局企画課までお願いします。
また、インターネットの長野県ホームページでも紹介しています。
http://www.pref.nagano.jp/

  項  目 H10年度現状値⇒H16年度目標値


一般廃棄物のリサイクル率
自然観察会への参加者数(年間)
ダイオキシン類の環境基準達成率
低公害車普及台数
景観形成住民協定の認定
17.8%
5,770人
―――
479台
92件




21%
8,780人
100%
6,500台
130件
※平成9年度数値


生涯学習推進センターにおける
指導者養成講座修了者数
ティームティーチングの推進
高校の特色学科の拡充
県立高等学校コンピュータ整備
小学校心の相談員の配置

5,533人
255校
12校
45校
15人






14,000人
362校
18校
68校
25人


ホームヘルパー
開所時間延長保育
地域子育て支援センター
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
障害者デイサービスセンター
2,299人
87か所
5か所
5,993人
18か所




5,540人
214か所
35か所
7,880人
28か所



下水道等普及率
県道改良率
上信越道の四車線化
一人当たりの都市公園面積
電線類地中化整備延長
62.3%
68.1%
27.4km
9.05m2
20km




85%
71.3%
50km
11.1m2
33.7km


創業支援センターによる支援
商業基盤施設整備商店街数
園芸作物生産額の全国順位
新規就農者数(年間)
県産材製品加工流通拠点
13企業
6か所
5位
183人
2か所




34企業
18か所
1位
300人
4か所


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