新年を迎えて

長野県知事 吉村午良氏

長野県知事 吉 村 午 良


 明けましておめでとうございます。
 新しい年を迎え、皆様のご多幸とご健勝を心からお祈り申し上げますとともに、日ごろ県政にお寄せいただいておりますご支援、ご協力に対しまして、心からお礼を申し上げます。
 さて、わが国の経済は、昨年度、戦後最も低いマイナス成長を記録するなど、依然として厳しい状況にありますが、このようななか昨年6月と11月には、国の大規模な雇用対策、経済対策が打ち出され、県といたしましても、これらの対策に積極的に対応し、緊急地域雇用特別交付金事業の実施による新たな雇用・就業機会の創出や、公共事業をはじめとする各種事業の導入など、景気の回復に全力をあげて取り組んできたところです。最近では、こうした施策の効果が浸透しはじめ、一部に明るい兆しも見えてまいりましたので、県内景気が一日も早く順調な回復軌道に乗るよう、一層の努力を傾注してまいります。
 本年は西暦2000年、新しい千年紀の始まりであり、20世紀最後の年でもあります。「温故知新」と言われますが、これまでの長野県の歴史を振り返り、そして未来の姿に思いを馳せるには、誠に良い機会であり、文字通り「千載一遇」のチャンスであります。
 長野県は、産業面では、かつての蚕糸業から精密機械、そして情報技術関連産業へと、常に時流を的確にとらえ、新分野をたくましく切りひらいてまいりました。環境の分野でも自然保護や水環境の保全など先駆的な役割を担い、また、今日では世界のトップクラスの健康長寿を誇っています。このような長野県を築いてきたのは、先人たちの未来を切りひらく知恵と勇気あるチャレンジ精神であり、個性的な地域が競い合いと連携の中で相互の発展をめざしてきた風土であります。
 現在、平成12年度から5か年間の県政運営の基本となる第二次長野県中期総合計画の策定作業を進めております。このような長野県のすばらしさを県民の皆様とともに改めて見つめ直すとともに、「みんなのために、未来のために。」を基本目標に据えて、施策の具体化を図り、明るい希望や安心感が広がる長野県づくりに全力で取り組んでまいりたいと考えております。
 皆様には、今後とも変わらぬご支援、ご協力をお願い申し上げますとともに、本年が皆様にも、また県政にとりましても、実りある飛躍の年であるようご祈念申しあげまして、年頭のあいさつといたします。

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