電気機器

高見沢電機信州地区協同組合 理事長大井三千夫氏 高見沢電機信州地区協同組合
理事長 大井三千夫

平成12年の業界展望

1、景気見通し
 国の補正予算等について、小手先の目先対策に終始しているのが現実であろうかと感じる。なぜなら、社会保障制度のあり方、財政政策のあり方、税制改革のあり方により、高齢少子化時代の安定軌道に乗った経済や社会環境の的確な指針・整備が示されずに、個人消費の大巾増が見込めるとは思えない。
 今、最も必要とされているのは、プロと言われる者(政治家、役人、経営者)の発想の転換である。プロでありながら、リスクに責任を持たない者が多く見られる社会になっている。目標(政策)の明示できない者はプロとしては失格である。

2、業界の抱える課題と対応
 2000年問題に加え、台湾の震災等により、半導体関係が急激増になり、一部持ち直し気配があるかに報道されている。一方、リストラ、企業の構造改革は進み、大手を中心に企業収益は上方修正に転じている中で、向こう3~5年ぐらいは、第二次リストラは進むものと思われる。経済の回復で注目されるのが、中小企業の設備投資と雇用創生であろう。しかし先が読めない中で、設備投資が進まず、老朽化した設備で運営を余儀なくされており、大手よりの無定則なコスト削減に苦慮しているのが実状である。正に先が見えない大競争の渦中である。

3、組合運営全般
 当組合の運営については、次のような認識を持っている。
(1)ネットビジネスの普及に伴い従来型の企業経営では、生き残ることは不可能に近い。
(2)困難な時こそ組合員が協調し、技術の研鑽をするべく、組合員交流を定期的に実施する。
(3)コンピュータ活用に工夫をこらし、かつマーケット情報に企画性を活かし、常にそれらの関係者と情報交換を行う。
(4)組合員の資質をあげるべく、積極的に、実のある講習会、講演会を、中小企業団体中央会の御協力を得て、定期的に実施する。
(5)国内視察研修で、現実性のある諸問題に取りくみ、組合員相互の親密なる連携関係を強める。
 最後に、中小企業団体中央会との更なる一体運営を推進し、安定した企業活動と均衡ある協同組合育成を図るべく、2005年を目標に、ホップ・ステップ・ジャンプをめざし、今年はまさに、ホップの年にするべく頑張って行きたい。

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