機械金属

テクノハート坂城協同組合 理事長小宮山多賀雄氏 テクノハート坂城協同組合
理事長 小宮山多賀雄

[平成12年の景況見通し]
 わが国経済の基盤的存在の中小企業は、長びく景気停滞の中困難に耐えしのんでいるところであります。
 このような情勢に、政府は景気浮揚のため、緊急経済対策を樹立して次々と事業を推しすすめており、業界の期待を背景に更に補正予算を編成し、国際的に景気浮揚の指導的役割をはたす施策の浸透に傾注しています。
 そのことから次第に回復基調にむかうことと思われますが、これまでの長期に亙る不況を脱出できるかと一抹の不安をもちながらも、一刻もはやい景気回復のため業界は動き出していくことでしょう。
 一方業界は、経済環境がことごとく変化に転じており、これの対応の是非が大変懸念されるところであります。
 またわが国唯一のグローバルスタンダードといわれる製造業は、資本や労働、設備の過剰が経営を圧迫しており、その重圧から21世紀にむかい身軽になるべく大きく動き出していま
す。つまり大手メーカーが大胆なリストラに出ており、業種の
差こそあれ、それぞれの分野で少なからず、同様の問題を抱えて大手が動いております。
 すでに金融ビッグバンは大手から地方に浸透しており、業界のシェア競いが波及することと見られ、大変な状況も想定されるといわれています。

[業界の抱える課題と対応]
 ものづくりの業界は、国際化時代で、量産ものは、コスト競争から海外移転が更にすすみ、特殊なものを除き、コスト対応がせまられ、今後は、特色あるものづくり、独特の技術確立などの努力が求められております。
 加工一辺倒の時代の、広く浅いといった姿勢から、掘り下げたものづくりに徹することが求められ、そのためローコストのものづくり、加えて環境問題にシフトした体制でなければならないのではないか、そんな21世紀の対応がはじまります。

[その他組合運営全般]
 本組合は、多様な業態の加わった異業種製造業グループでありますので、この恵まれた組織を活用したものづくりが可能でありますので、積極的な、受注活動とあわせ、発注活動にも力を入れてまいる所存であります。そのため、より多くの情報にふれ、より広いご利用を頂けるような体制構築のために、情報ネットワーク確立につとめてまいります。
 また、極めて大切な人材育成につとめて、ひいては技術のレベルアップにつなげ、地域産業の拠点として活性化し、あわせて情報発信基地として、組織員の結集に配意してまいりたいと
思うところであります。
 あわせて、製造業に対する関係団体、支援組織との連携を深めて、21世紀にむかって、すすみたく考えます。

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