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１７．診断・指導
中小企業の経営管理・合理化を図るためには、中小企業者の自主的努力が最も重要であることから、国は、この努力が効果的に行われるよう側面から適切な指導を行うこととしています。
この観点から、（１）都道府県・政令指定市（札幌市、仙台市、千葉市、横浜市、川崎市、名古屋市、京都市、大阪市、神戸市、広島市、北九州市及び福岡市。技術については旭川市を含む。）及び中小企業総合事業団等による経営の診断及び指導、技術指導、中小企業の経営管理者、技術者に対する研修等の事業、（２）商工会、商工会議所による経営改善普及事業、（３）中小企業団体中央会による組合等の指導、など各種事業が実施されています。
診断には、大別して一般診断と近代化促進診断の２種類があり、これらの診断業務は、都道府県及び１２大市の中小企業総合指導所等に配置されている専門の診断指導を専門職員が担当しています。
診断の手続は、診断の申込みを受けたのち、診断の準備、予備調査、現場診断、総合調整が行われたうえ、指導勧告がなされます。
(1) 一般診断
一般診断には、個別に中小企業者を対象とした個別診断と中小企業の集団を対象とした集団診断があり、その内容は次のとおりです。
① 個別診断
ア．構造調整対応診断
経済構造の変化に対応し、経営の安定、事業の革新、新分野進出、海外展開等を図ろうとする者に対して個別に行うもの
イ．情報化対応診断
コンピュータや情報ネットワークの活用による経営の革新を図ろうとする者に対して個別に行うもの
ウ．エネルギー環境対応診断
エネルギー環境問題への対応を行おうとする者に対して個別に行うもの
② 集団診断
ア．構造調整対応診断
経済構造の変化に対応し、経営の安定、事業の革新、新分野進出、海外展開等を行おうとする集団に対して行うもの
イ．情報化対応診断
コンピュータや情報ネットワークの活用による経営の革新を行おうとする集団に対して行うもの
(2) 近代化促進診断
近代化促進診断には、設備近代化資金貸付制度によって資金の貸付を受けようとする個別の中小企業者を対象とした工場、商店等に対する診断と、高度化資金の貸付を受けようとする場合の工場団地診断、商業団地診断、商店街近代化診断、小売商業協業化診断、小売商業連鎖化診断、共同工場診断、企業合同診断、共同施設事業診断があります。
(3) 指導事業
指導については、専門家等による診断事後指導、巡回総合指導、コンピュータや情報ネットワークの活用に関する診断指導、エネルギー・環境問題への対応に関する指導が行われています。
平成１０年度からは、経営及び技術に関する豊富な知識と経験を有する専門家をアドバイザーとして派遣してする地域活性化アドバイザー等支援事業が実施されています。
なお、技術面に対する指導については、都道府県等の公設試験研究機関あるいは、技術アドバイザー制度等により実施されています。
(4) 研修事業
都道府県及び政令指定市の行う研修については、中小企業経営管理者研修として、中小企業経営者及び中堅管理者等を対象とした長期、短期の管理者研修、情報短期研修及び中小小売商業短期研修、創業者研修、中小企業技術者研修として、長期、中期、短期の技術者研修、地場産業振興高等技術者研修、新技術技術者研修、研究者養成研修が行われています。
中小企業の人材育成の強化を図るため、中小企業総合事業団中小企業大学校東京校（東京都府中市)、関西校（兵庫県福崎町）、直方校（福岡県直方市）、旭川校（北海道旭川市）、広島校（広島市）、瀬戸校（愛知県瀬戸市）、仙台校（仙台市）、三条校（新潟県三条市）、及び人吉校（熊本県人吉市）が設置され、それぞれ次の研修事業が行われています。
東京校では、①経営に関する研修として中小企業診断士養成、中小企業指導担当者研修、団体職員研修、中小企業者経営研修（経営管理者コース、経営後継者コースなど）などが実施され、②技術に関する研修として、中小企業技術指導員養成、中小企業者技術研修、通信研修などが実施されています。
地方校（関西校、直方校、旭川校、広島校、瀬戸校、仙台校、三条校、人吉校）では、①中小企業者経営研修（経営管理者養成コース、中間管理者研修など）、②中小企業者技術研修（２日間コース、１週間コースなど）が実施されています（地方校によって異なるものもあります）。
平成１１年度から、商工会等の経営指導員を対象に、小規模の経営指導のために必要な専門的課題に関する解決策を収得するため、東京校で実施している「課題別研修」を新たに他の８校においても実施します。また、新規創業を意図する者を対象に、会社設立、資金調達、販路開拓等創業に必要な実務知識を提供するとともに、参加者のそれぞれのビジネス・プランを精緻化するための「新規創業支援研修」を中小企業大学校各校で実施します。
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