どうしたらよいか?

まちづくりの処方箋


「まちを再生」するためにはどのような処方箋があるでしょうか? 一つは、改正された「特別用途地区」という制度を活用する、という方法です。
もう一つは、市町村が独自のまちづくりの制度=まちづくり条例やまちづくり要綱を作ることです。既に作成している市町村も多くなっています。

●特別用途地区

特別用途地区という制度は、ある種類の建物の建築を規制したり、逆に緩和したりすることができるものです。先の通常国会で市町村が自由にいろいろな種類の特別用途地区を定めるように改正されました。
たとえば、住宅地の環境を守るために風俗店や大型店を規制したり、中心市街地で住宅が建築されるように義務付けることができます。
しかし、この制度は用途地域が決められている市街地でしか活用できない、という問題点があります。

●まちづくり要綱

まちづくり条例が作られていない自治体でも、まちづくりの要綱は比較的多く定められています。要綱は行政が作成するもので「宅地開発指導要綱」「中高層建築物指導要綱」「大規模小売店舗出店要綱」等その名称は色々あり、自治体で起こっている様々な問題に対処するために作成されている事例が大半です。
まちづくり要綱の内容は条例と同じですが、条例との違いは「緊急的な問題に対処するために短い期間で作れる」という長所がある一方、強制力に乏しいという短所があります。

●まちづくり条例

まちづくりを進めるには、自分たちのまちにあった制度が必要だ、ということから「まちづくり条例」を制定する自治体が増えてきています。「まちづくり条例」「環境条例」「景観条例」等その名称は様々です。
条例は、市町村や都道府県の議会が制定するもので、いわば自治体の法律です。
条例では、地区ごとに開発の内容や基準がきめ細かく決められてたり、開発の際の手続きや住民参加の手続き等が定められています。

●まちづくりの進め方(例)

まちづくりの進め方

●先進地区事例 先進地区事例

○東京都荒川区
 荒川区の「大規模小売店舗の出店に伴う地域環境保全のための要綱」は、大型店出店者に対して環境への配慮、住民の質問への回答などを義務づけています。

○東京都杉並区
 杉並区の「大規模小売店舗の出店に関する要綱」は、大型店の相次ぐ出店に対して急遽制定したもので、新しい出店者だけでなく既存の大型店なども対象としている点が特徴です。大型店の出店に伴う駐車スペース、道路の安全対策、環境対策がポイントです。

○神奈川県真鶴町
 真鶴町のまちづくり条例は、地区ごとに開発や建築できるものの種類等を決め、また「美の基準」という真鶴らしさを作り出すためのルールなどを決めています。さらに、開発にあたっての住民参加などの手続きを詳細に決めています。

「まちのあり方を考えなおそう」の目次に戻る