●人材養成

山梨県宝石研磨工業協同組合(山梨)

住所:〒400-0807 甲府市東光寺3-13-25 電話:0552(32)2160 FAX:(32)2160
設立:昭和55年4月
出資金:107万円 組合形態:同業種網羅型組合 地区:山梨県
主な業種:宝石等研磨業 組合員:98人 組合従業員:1人 専従理事:1人

地場産業を支える基盤技術の改善に取り組む

地場産業である宝石等研磨業は、高齢化と後継者不足という課題をかかえている。その解決策として、近代加工法の改善―ダイヤモンド工具の自作化―に取り組み、新技術に対応する人材養成を行っている。

事業の背景

現下の不況にあって、高額品である宝石・貴金属類は市場規模が大きく縮小し、当組合員企業の経営状況は厳しい。また、多くの組合員は下請企業が多く、規模も零細である。高齢化及び後継者不足という課題を抱えており今後の展望は決して明るいとはいえない状況であった。今後の業界の発展を考えると、経営の近代化への取り組みとともに若い人材の養成が急務であった。

事業活動の概要

①近代化工作化事業(ダイヤモンド工具の自作化)
劣悪な作業環境の改善を目指して、汚れが散乱しない近代工法の導入と、作業効率と作業者のモラルアップを図ることを目的とした。そのために、工具の自作化の講習会を開設して技術に関する改善の研修を行った。年間3回の実施で延べ80人の参加があった。

②情報化研修事業(パソコン研修)

ワープロ、表計算、インターネットの実習で、内部講師と外部講師で年間5回、延べ240人が参加した。小規模で高齢化が進んでいる組合員の、情報化に対する取り組みは遅れていた。企業経営において、パソコンによる情報管理は当たり前になってきているので、基本的なソフトの演習とインターネットについて講習を行った。

成  果

①の近代化工作化事業は大変に好評であり、技術の改善に対する意識が高まり、自作化に向けて取り組む組合員がでている。零細企業では、自作化が技術的に可能であっても、自作する時間的余裕がないこともあり、組合がOB技術者に依頼して工具の製作をすることとなった。また、彫刻部門ばかりでなく、平面加工部門の応用を望む声があった。

②の情報化研修事業は、予想に反して、高齢者の参加が多く、若い組合員の中には、すでにインターネット上にホームページを開設して、販売を始めた者も既に現れている。また、研修と直接的には関係がないが、青年部が『ジェムノート』を作成し、業界の貴石知識を高める情報収集加工事業を実施している。これらの活動は、将来業界を担う人材の主体的な取り組みであると思われ、組合でも積極的に支援をしていくことにしている。

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