●人材養成

茨城県板金工業組合(茨城)

住所:〒310-0911 水戸市見和3-632-12 電話:029(253)0545 FAX:(251)2897
設立:昭和45年2月 出資金:764万円 組合形態:非産地型商工組合 地区:茨城県
主な業種:板金工事業、金属屋根工事業、建築金物工事業 組合員:324人 組合従業員:1人

職業訓練校で技術の向上と後継者の育成を目指す

「中小企業人材育成プロジェクト」を経て職業訓練校を開校。組合員の持つ伝統的な技術・技能の保存と向上を図るとともに、不足している後継者の確保・育成を目指している。

事業の背景

組合員とその従業員の持つ伝統的な技術・技能の保存・向上と施工性能の保証並びに後継者の確保・育成を図るため、茨城県板金高等職業訓練校を設立し、平成9年4月より運営を開始した。それに先がけ、平成7年度から8年度にかけ「中小企業人材育成プロジェクト」を実施。訓練校で使用する教科書となる「標準仕様書」の作成を始め、カリキュラムの作成、講師の選定など、職業訓練校の開校準備を行った。

事業活動の概要

平成9年度には「施工士養成課程」、「施工検査士養成課程」、「技術検定講習(学科)」の3講座が設けられた。各講座は土曜、日曜に2日間で終了し、また県内のさまざまな場所を会場とする分校スタイルにより、受講者が参加しやすい形態となっている。講座を担当する講師には理事長以下、組合の役員がなっており、ベテランの技術者による専門的な授業が行われている。

成  果

平成9年度の受講者は3講座合わせて197名。全員が講座を終了しており、事業は順調な滑り出しとなった。技術者が減少し、昔ながらの徒弟制度による技術の承継が難しくなっている現在、職業訓練校は伝統的な技術の保存とその向上及び後継者の育成に大いに貢献している。さらに、設定した施工基準によって工事を行う「施工士」と施工検査細目を理解し管理業務を担当する「施工検査士」を養成することで、組合員が施工した工事を組合と組合員との連名で保証する「施工性能保証制度」が実現しつつある。
平成10年度より新設された「銅板加工技術講座」では、銅板から模様を打ち出す技法を教えており、受講者からの人気が高い。優れた作品が芸術品として販売されることもあるこの技術は、実用一辺倒というこれまでの板金業のイメージを一新するものであり、新しい技術に対する興味で人材を引きつけることで、後継者の確保だけでなく、これまでとは違った新しい市場の開拓が期待される。

目次に戻る