前号(平成11年2月発行)に引き続き、アルプスネットワークシリーズの第3回目。今回は組合のホームページを紹介します。アルプスネットワークは、会員組合と中央会のホームページの総称です。長野県が日本アルプスに囲まれていることと、協同組合が中小企業者のネットワークであることから命名したものです。

参加組合のあらまし

平成10年度は、14組合がホームページを開設しました。

中央会の助成(経費の2/3,上限50万円)を受けた組合
 12組合
独自予算で取り組んだ組合
 2組合
 協同組合信州自然共生家造りの会、協同組合物流ネットワーク長野
独自アドレス(仮想ドメイン)を取得した組合
 3組合
 上田ソフトパーク事業協同組合、戸狩温泉事業協同組合、財団法人長野県中小企業共済福祉事業団

ホームページ開設組合一覧表(読み順)

組合名 アドレス
上田ソフトパーク事業協同組合 http://www.usp.or.jp/
小諸市相生町商店街振興組合 http://www.alps.or.jp/aioi/
協同組合信州自然共生家造りの会 http://www.alps.or.jp/shizen/
多摩川精機協同組合 http://www.alps.or.jp/tcc/
戸狩温泉事業協同組合 http://www.togari.or.jp/
協同組合長野県商工振興会 http://www.alps.or.jp/shoko/
長野県損害保険代理業協同組合 http://www.alps.or.jp/ncia/
財団法人長野県中小企業共済福祉事業団 http://www.mdnagano.or.jp/
協同組合長野シーアイ開発センター http://www.alps.or.jp/nci/
長野自動車部品工業協同組合 http://www.alps.or.jp/htn/
協同組合物流ネットワーク長野 http://www.alps.or.jp/bnnagano/
北信建設事業協同組合 http://www.alps.or.jp/hokken/
企業組合まっち絵具製造 http://www.alps.or.jp/match/
松本市本町商店街振興組合 http://www.alps.or.jp/honmachi/


上田ソフトパーク事業協同組合

上田市下之郷上田リサーチパーク (株)アネックスインフォメーション内
理事長 若林邦彦
アドレス http://www.usp.or.jp/

浅間テクノポリスの中核

上田リサーチパークにソフトウエア関連業者が共同進出

上田ソフトパーク事業協同組合のホームページの特徴を一言でいえば日本語のページと英語のページが完全に一体化しているということです。一部分のページを英語で発信することはよく行われますが、日本語の全ページが完全に英語化されているホームページはそう沢山はありません。勿論アルプスネットワーク内では唯一です。

JavaScript(ジャバスクリプト)を使った動きのあるメインページには目次が適切に配置されているばかりでなく、組合員企業のページへ直接ジャンプできるようにも工夫されています。全組合員のホームページが統一レイアウトで制作されていますが、組合員オリジナルのホームページがある場合はそこからリンクが貼られています。

インターネットを組合員間のコミュニケーションのツールとしても利用するため組合員専用の掲示板を設置したこと。外国人が訪ねてこれるような地図にしたし、実際訪ねて来た人があったとは、ホームページを担当された理事の宮島仁一さんの言葉です。


小諸市相生町商店街振興組合


小諸市相生町3-3-13 相生会館
理事長 渡辺玄雄
アドレス http://www.alps.or.jp/aioi/

小諸相生町商店街

それいけ浅ぼんライブタウンあいおい坂

浅ぼんというキャラクターが案内する元気な商店街。これが小諸市相生町商店街振興組合のホームページの特徴でしょう。イベント紹介、商店街のイラストマップ、などなど。
個店のページは統一レイアウトですが、「お店紹介」と「おすすめ」のみ。「おすすめ」ではそのお店の一品だけを紹介しています。ともすれば沢山の商品を並べてしまい、結果的に特徴のないページになってしまいがちですが、うまく工夫したといえましょう。

小諸市相生町商店街振興組合は、新幹線が小諸市を通過しなかったことによるダメージを最小限にくい止めるために、空き店舗を利用したユニークな活動などを行っていますが、ホームページもその一環です。「商店街の電子化の一歩です」とはホームページを担当された常務理事で電子化委員長の千野久雄さんの言葉です。

協同組合信州自然共生家造りの会


塩尻市広丘原新田186-9
理事長 工藤哲秀
アドレス http://www.alps.or.jp/shizen/

信州自然共生家造りの会

まじめに人と環境の健康を考えて自然にフィットする家造りを提案

工藤哲秀理事長の手作りのホームページ。助成金を使わずに制作されました。
組合オリジナルキッチンの紹介、自然と共生するコンセプトを実現した作品の写真などがあります。一部の組合員のページのみが開設されています。

多摩川精機協同組合


飯田市羽場町1-595-1
理事長 後藤吉見
アドレス http://www.alps.or.jp/tcc/

多摩川精機協同組合

共同の理念に基づいた知恵と技術の共同体

メインページにはプロフィール、ネットワーク、フィールドの3カテゴリ並びに構成企業ガイドと組合員専用掲示板があります。ネットワークでは、「技術のネットワークで地域から世界へ」のキャッチフレーズのもと、組合の共同事業を紹介しています。フィールドでは、組合が技術の集積地、飯田市に立地していることを強調しています。構成企業ガイドでは構成企業一覧のページを経由して、それぞれの組合員のページへリンクしています。組合員のページは統一レイアウトです。組合員専用掲示板は、上田ソフトパーク事業協同組合、長野県損害保険代理業協同組合と同様に、組合員間のコミュニケーションツールとしてインターネットを利用しようとするものです。

組合員のページは金太郎飴的なページにならざるを得なかったが、今後はそれぞれの特色を活かしたページに変えるつもりだとは常務理事の中村昭男さんの言葉です。

戸狩温泉事業協同組合


飯山市大字豊田6363 戸狩観光開発内
理事長 木原一夫
アドレス http://www.togari.or.jp/

奥信濃戸狩温泉

健康ゲレンデ,戸狩温泉,千曲川旅情と四季の花めぐり

この組合のホームページの特徴は、わんぱく村、体験の宿、貸切のできる宿など8つのカテゴリで宿(=組合員)を分類したことでしょう。それぞれの宿は、自宿のサービス内容に応じて、複数のカテゴリに所属しています。
例えば草木染めの体験をしたいお客さんは、体験の宿をクリックして該当する宿一覧を表示させ、そのリストの個々の宿のページをチェックし、好みの宿を探すことができるのです。一種の宿探し機能といえましょう。
組合員のページは、統一レイアウトですが独自のホームページへのリンクがありますので詳しいことはそこから得ることができます。

「インターネットがこんなに効果的であるとは思わなかった。」とは、実際にインターネットで宿泊予約があった理事長木原一夫さんの言葉です。

長野県損害保険代理業協同組合


長野市柳原1458-1 (有)根本保険事務所内
理事長 片桐洋一
アドレス http://www.alps.or.jp/ncia/

保険アラカルト

損害保険、生命保険など保険のことなら全て。ここだけの話し?

保険といえばなんとなく堅いイメージ。そこで単なる商品紹介だけではなく、ユーザー本位の情報提供に努めたのがこのページ。保険商品販売のプロならではのホームページといえます。
なかでも「ここだけの話し」は必見でしょう。自動車保険に関する知って得する情報が公開されています。火災保険、傷害保険、生命保険など他のジャンルの情報提供が望まれます。

「保険商品は様々なものが発売されるようになったのでホームページにどのように載せたらよいか迷いました。今後はホームページから保険の申し込みができるようにしたい。」とは、責任者の専務理事根本久雄さんの言葉です。

財団法人長野県中小企業共済福祉事業団


長野市中御所字岡田131-10
理事長 星沢 正
アドレス http://www.mdnagano.or.jp/

マインドながの

長野県の生活,旅行,心温まるエッセイ,食べ物,保養施設...

傷害共済、リブ福祉共済、家族共済などケガの共済を提供している、通称「ながの共済」のホームページです。
共済契約者向けに「マインド信州」という情報誌を年4回発行していますが、この中から連載もので好評な記事を中心に5つのカテゴリに分けてホームページを構成してあります。
「特集」、「マインドホッと!ステーション」、「信州発MINDな旅」、「ロマン人達の夢空間」、「私のヘルシークッキング」。この先に何があるか思わずクリックしてしまうでしょう。
提携保養施設の紹介も充実しています。「オアシスリゾート泉郷」、「レクリエーションハイツ&いこいの村」、「契約保養施設」。保養施設を利用するために共済契約が増えたら・・・望外の喜びとのことです。

共済とは無関係な情報が多いのですが、「イメージを売り込むことが先きだ。」とは、責任者の理事・総務部長曽根裕二さんの言葉です。

ところで仮想ドメイン名の「mdnagano」のmdは「mind(マインド)」のことです。

協同組合長野シーアイ開発センター


長野市田町2119 玉木ビル
理事長 
アドレス http://www.alps.or.jp/nci/

企業の活性化・地域の活性化

CI(コーポレート・アイデンティティ)開発のプロ集団

協同組合長野シーアイ開発センターは、CI(コーポレート・アイデンティティ)開発を行っている組合で、地域、市町村、企業のCI策定の実績があります。地域社会に貢献することができる存在意義としてCIをコミュニケーション・インターフェイスと呼び変え、これを21世紀に向けての組合のテーマとしています。
ホームページには、CIの実績紹介や地域文化の紹介があります。企業や地域のCI制定は、実はその活性化と深く結びついていることが分かるページになっています。

「CIが何かを分かってもらえるホームページを目指した。」とは責任者の常務理事相馬豊恒さんの言葉です。

長野自動車部品工業協同組合


須坂市大字小河原3954-21
理事長 嶋倉健次
アドレス http://www.alps.or.jp/htn/

HeatTech長野

『鋼に命を!』金属熱処理のアーティスト

長野自動車部品工業協同組合は金属の熱処理を業としています。一口に熱処理といっても、雰囲気、高周波、真空など様々な種類があります。裏方の地味な仕事だけに、処理方法を理解できない方が多くおられます。そこで処理方法と写真付きの処理結果を公開しています。これらは熱処理の良い解説といえましょう。

一般の方向けの『金属の不思議』シリーズは、金属の不思議さをやさしく解説して好評です。おおむね2ヶ月に一度入れ換える予定とのことです。第1回目「鋼に命を」、第2回目「金属は変態?」、第3回「温度の芸術」の公開を終了し、現在は第4回目の「鉄と鋼はどう違う」を公開中です。

その他、求人のための先輩登場コーナーもあります。

「最初のころはまったく問い合わせのメールが無くホームページの効果を疑った。ところが、Yahoo(ヤフー)など検索エンジンに登録してからは、日本の名だたる企業から熱処理に関する高度な問い合わせが来るようになった。大企業がどのような熱処理を要求しているのか分かっただけでも効果があった。」と語るのは責任者の理事長嶋倉健次さんです。

協同組合物流ネットワーク長野


長野市川中島御厨941-1 信幸運輸有限会社内
理事長 清水孝徳
アドレス http://www.alps.or.jp/bnnagano/

物流ネットワーク長野

長野県をカバーする物流事業者のネットワーク

直前理事長で現理事の矢澤伴治さん手作りのホームページ。協同組合自然共生家造りの会と同様に助成金を使わずに制作されました。
帰り荷斡旋のローカルネットのQ&A、組合員の紹介などがあります。組合員のページは少しづつ増えています。

「とにかく見てもらえれば効果がある。」とは矢澤伴治さんの言葉です。

北信建設事業協同組合


長野市稲里町中氷飽九反6
理事長 野澤 柳一郎
アドレス http://www.alps.or.jp/hokken/

北信の土木・建築の建設業

北信地区の建設業者(土木・建築)による団体。建設資材の販売等

北信建設事業協同組合のホームページは組合員への宣伝です。トップページに「北信事協は組合員のパートナーです」と記載されたり、ホームページで組合員向けの営業案内を行っていることからもその姿勢を読みとることができます。インターネットといえば日本はもとより世界を視野に入れがちですが、ローカルな地域で特定の組合員のための宣伝媒体というのも一つの考え方といえるのでしょう。

「組合員への宣伝効果はあった。」と担当者の営業次長山本正博さんはいわれています。

企業組合まっち絵具製造


埴科郡戸倉町大字須坂474-1
理事長 小出宗治
アドレス http://www.alps.or.jp/match/

まっち美術館

色がきれいで環境にやさしい水彩絵の具。ギャラリー,紙芝居...

ここは「水彩画」の魅力をお伝えする小さな美術館です。さまざまな作品や紙芝居、絵の具や画材の話あれこれをお楽しみください。
まっち美術館は、企業組合まっち絵具製造が提供する仮想美術館です。ホームページのコンセプトは、Match Colors(マッチカラー)を使ったさまざまな作品を展示し、それを鑑賞していただくことによって、販促に結びつけるということです。
この試みが成功するかどうかは、水彩絵の具の愛好者や関係者、美術の先生や学生・生徒・児童がまっち美術館を訪れてくれるかどうかにかかっています。

ギャラリーの常設展には、今から約35年前、企業組合まっち絵具製造を創立したころの絵の具で描いた子どもたちの作品他があります。
紙芝居の部屋は、組合員でもある竹内隆夫先生の作品群を公開しています。第1作は、芥川龍之介原作、竹内隆夫画による杜子春(とししゅん)です。以前から公開していましたが、画像の処理に問題があったためリニューアルしてお届けしています。今後も1ヶ月ごとに新しい作品を公開する予定とのことです。子どもたちにも読んでいただけるよう難しい漢字にはふりがなをふってあります。
絵の具の図書館では、絵の具と画材を学ぶことができます。
交流の広場は、Match Colorsの愛好者と館長こと理事長の小出宗治さんとの交流の場です。

「まっち美術館は、Match Colorsの販売促進の実験の場です。少しでも実績があればありがたいのですが。」と小出理事長さんは期待されています。

松本市本町商店街振興組合


松本市中央2-4-3
理事長 中村盛安
アドレス http://www.alps.or.jp/honmachi/

松本本町商店街

松本市本町通りの専門店街

松本市本町通りとそこの専門店を紹介しているホームページです。専門店は業種別、五十音別からさがすことができます。個々のお店のページは、ほぼ統一的なレイアウトです。
本町の変遷は、江戸時代の資料、明治・大正・昭和30年代の写真、平成の区画整理事業で知ることができます。

「インターネットとは何か。から始めたホームページはようやく誕生したばかりです。これから育てていくのが大変です。」とは責任者の理事小口真一さんの言葉です。

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