新年のご挨拶

長野県中小企業団体中央会
会長 和 田 守 也



 新年あけましておめでとうございます。

 会員の皆様並びに関係各位におかれましては、希望に満ちた新年をお迎えのことと存じます。

 平素は、中央会の運営につきまして格段の御指導と御支援を賜り、厚く御礼申し上げます。

 昨年の我が国経済をみますと、戦後最悪の不況風が日本列島を吹き荒れ不況色一色で染まり、底なし沼に足を捕らわれたままの状態でありました。
 大手企業のリストラの推進と、長銀をはじめ大手都市銀行の不良債権処理をめぐる金融不安は、国内経済のみならず世界経済にも大きな影響を及ぼしました。企業倒産も大幅に増え、失業率も過去最悪を更新し、市民生活にも暗い陰を投げ掛けておりました。
 このような厳しい状況下での、7月の参院選では、自民党が敗れ、橋本政権が交替し、小渕新内閣が誕生しました。
 政府は、この厳しい経済・金融情勢を打開すべく、景気対策に全力を注ぎ、金融再生に公的資金60兆円の枠を確保し、春の16兆円に続き秋には第二次経済対策に24兆円の過去最大の財政資金を注ぎ込みましたので、この成果が一日も早く現れることを待ち望むものであります。

 中小企業をみますと、競争の激化、規制緩和が行われる中で構造変革が一段と進み、中小企業の倒産の多発、商店街の空き店舗の増大等、更に、金融機関の貸し渋り等々、中小企業及び組合を巡る状況は、大変厳しい一年でありました。
 そのような中で、中心市街地の再活性化を図るための「街づくり三法」が成立し、今後の中心市街地の活性化が促進されることを期待するものであります。

 記憶に新しい出来事として、10月には、日本人宇宙飛行士向井さんが乗ったスペースシャトルの打ち上げに成功し、12月には、2004年の完成を目指し、日本も参加している国際宇宙ステーションの最初の組み立てに成功したことは、大変明るいニュースであり、人類の夢の実現に近づくことになりました。

 長野県においては、2月に長野オリンピック、3月に長野パラリンピックが開催され、県民各位の熱意と大会関係者や多くのボランティアの皆様の献身的な活動に支えられ、日本人選手の大活躍もあり、多大な成果を見たところであります。

 中央会としても、当面する中小企業問題の解決に、組織を挙げて取り組み、10月9日には、経済五団体による初めての、中小企業危機突破大会を開催し、関係方面に陳情しました。

 通産大臣に「中小企業担当を付与する」運動も、徳島県で開催された全国大会で決議され一歩前進を見ることが出来ました。

 構造変革の進む激動の中で、中央会の体質改善を進めるとともに、指導体制の強化と機能の充実を一層図りながら、会員各位の多様なニーズに迅速に応えられるよう努めて参る所存です。

 本年は卯年であり、長引く低迷から脱し、21世紀を目の前にして新たなステージへジャンプすべく、実りある良い年になりますようご祈念申し上げ、年頭のご挨拶と致します。

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