飯島ショッピングセンター協同組合
理事長 山脇正義

 金融破綻・商店街の衰退など日本経済の厳しい状況を再認識して、新しいビジネスのヒントを探る11年になるのではないでしょうか。

 特に我々共同店舗業界は、周辺都市への超大型店の進出……伊那市、飯田市、駒ヶ根市、高森町、箕輪町、辰野町への大型店の出店が続き、また商圏内にも中規模で強力な専門店が出店し、商圏が狭くなっており、来店客数減、売上高の低下を促している。個人消費の回復感が依然見られない。本当に「欲しいものがない」という消費意欲減退等、ますます不況が深刻化している。経済学的にはいろいろな説明があるようだが、共同店舗業界の春はまだまだ遠くにあるのでは……低成長経済下、規制緩和を受けての周辺への大型店の出店競争の影響から売上高は低下傾向にあり、収益性が悪化している。

 従って組合員からは、共同化によるメリットを出すこと、1社では出来ない町への商業施設の働き掛け、大規模イベントの開催による売上増対策、賦課金の軽減が求められる。当組合基本理念に基づき中期経営ビジョン、年度重点課題と運営基準を現況と将来展望の上にたって作成しその課題の遂行状況を全体協議会で把握、検討し改善することによって、計画的、継続的な事業活動を行う仕組みになっている。地元消費者に喜ばれ支持される店づくりを目指して、店舗基盤強化、増床全面リニューアル、不足業種補強、隣接商業地との集結事業を行い、カードサービス事業の強化、フレンドリーな接客、地域密着の品揃え改善等日々の営業努力により、地域一番店の地位を堅持一致団結して次なる飛躍に挑戦している。商圏内においては、一番店である強みをさらに、コスモカード会員化することで固定客化し、地元(第一次商圏)のシェアアップを目指している。

 顧客は顔見知りの地元客がほとんどであり、ニューファミリー層が減り中高年層が増えている現在、商圏内住民の高齢化にそなえ、シルバー事業プロジェクトチーム(チーフ小林理事)を中心に県指導所の指導を頂きシルバー事業を多方面に研究し、高齢化社会に向かい、それに応えるサービスを模索している。(宅配事業)(給食サービス事業)(買物代行事業)(家庭内外清掃サービス事業)また、会員制による人材代行事業など具体的に研究して地域に役立つニュービジネスに挑戦しています。さらに将来の発展を目指し、全組合員一人の脱落者も出さぬよう個店の財務内容の公開、相互経営改善に取組み、さらに地域住民のためのサービス向上(シルバーサービス)を目指しつつある。

 組合の成功の要因としては、まず第一に組合員全員が地元出身で隣近所であり、人間的繋がりが全員参画でなされていること。第二に組合員全員勉強熱心なこと。教育費も予算化し、毎期継続して経営改善に努め、前向きに事業に取り組んでいることです。厳しい流通小売業を生き抜くため一丸となって頑張ります。

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