富士電機松本協同組合
理事長 中島芳昭

弊組合は、富士電機(株)松本工場を親企業とする(以後親企業と称す)異業種19社から構成された加工外注企業の組合です。この19社の中には親企業の分工場3社が含まれ、これを除く16社が本来の意味での組合員とも言えます。この16社中県外企業5社、県内企業11社に分かれ、業種ではプラスチック及びダイカスト成形、プレス・スプリング・ギヤー等の精密金属加工、又、電子電気機器製造や半導体試験・加工、金属焼付塗装等の企業から構成されており、親企業に対する組合員の依存度は分工場3社を除くと最高でも40%以内かと考えられます。

○平成11年の景況

親企業の組織体系は、電子・情報機器・自販機特機の各事業本部に属し、電子としては民生から産業領域及び新幹線や自動車関係迄の電源回路の制御・高機化・省エネ用等の半導体製造。情報機器としてはコンピューター各種やOA機器プリンターの心臓部の感光体及び磁気記憶ディスクの製造。自販機特機としては各種自動販売機・金融・レジャー関係の通貨にまつわる制御装置を製造しているが、経済停滞の影響はいずこも同じで組合員への要求も従来にも増して厳しくなって来ているのが実情。

○業界の抱える課題と対応

業界の課題は山程ある中で特に親企業の業態は装置産業化しており、中小企業の手の出る域を越えてしまいつつある中で、組合員は何に喰いつき何を捨て生き且つ成長するか。(1)親企業との月例会で一般企業よりも情報の先取りをする。(2)異業種組合員との交流を一層密にし仕事の紹介をし合う。(3)研修見学の機会を増やし工程合理化のヒントを見出す。(4)中央会・中金会等の講演会を積極的に聴講し得たものを組合員流す。組合員個々の自助努力としては、(1)自社製品の複合化と固有技術製品の一層の差別化。(2)社員教育とそれの選別整理先鋭化。
○組合運営

金融事業では、金融機関の貸し渋り対策として夏期冬期運転資金の転貸事業を一層展開する。教育情報事業・福利厚生事業では、親企業の各製造部長との情報交換会・親睦会に積極的に参加し気軽に対等に話し合う。又、海外視察研修旅行(1年置き)を継続しグローバルな情報を更新すると共に、国内企業視察研修旅行では身近かな現実を直視しつつ組合員相互の結束と親睦を図る。以上を掲げ邁進する所存でございます。

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