1.不公正な取引方法の是正

(1) 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律

独占禁止法は、公正かつ自由な競争を維持・促進するため、私的独占、不当な取引制限(カルテル)、不公正な取引方法等を禁止し、事業者が各自の創意と責任に基づいて自由な事業活動を営むことができる環境等の整備を図ることを目的としています。また、大企業による不当な圧迫等から中小企業を守り、中小企業が、その特色を十分に発揮した自主的な経済活動を営めるようにする役割を果たしており、このような公正かつ自由な競争によって良質・低廉な商品やサービスの提供が可能となることが期待されています。

(2) 独占禁止法の役割

独占禁止法の役割の中心は、私的独占、不当な取引制限及び不公正な取引方法の禁止にあります。
事業者が不当に市場支配力を形成し、価格の引上げや生産数量の制限を自由に行う事に対しては厳しい規制が行われています。こうした規制は、関連する中小企業が大きな不利益を被ることを防ぐことにもなります。
また、公正取引委員会では、独占禁止法に基づき、取引上優越した地位にある事業者(大企業等)が、その立場を利用して取引の相手方(中小企業等)に対し不当に不利益を与える行為等を「不公正な取引方法」と指定し、規制しています。このうち、下請企業に対する優越的地位の濫用行為については、独占禁止法の特別法である下請代金支払遅延等防止法で規制されます。
 一般消費者に対する商品・サービス等についての虚偽・誇大な表示は、独占禁止法の特別法である不当景品類及び不当表示防止法により、迅速・効果的に規制されています。それぞれの業界においては、公正取引委員会の認定を受けて、自主ルールを設定する公正競争規約制度が設置されています。
このような規制は、大企業と中小企業とが同様の基盤の上で、公正な競争を行うため、重要な役割を果たしています。

(3) 中小企業の取引の適正化

中小企業を取り巻く取引環境・競争環境を改善するため、中小企業の取引慣行問題について各地域の実態調査を行うほか、取引慣行の改善策につき検討を行うとともに、中小企業の取引の適正化を推進していきます。

2.災害対策

中小企業者が台風・豪雨等の災害により被害を受けた場合、当該災害が「激甚災害に対処するための特別の財政援助に関する法律」により、「激甚災害」として指定されると被災中小企業者の援助のため種々の特別措置が講じられます。
また、一般災害の場合には、政府系中小企業金融機関による災害復旧貸付等が行われます。

(1) 「激甚災害」の場合における援助措置

ある災害が激甚災害に該当する場合には、激甚災害との指定及び適用措置は、その都度政令で定められます。
激甚災害に該当するか否かは、災害対策基本法に基づき設置された中央防災会議において決定された激甚災害指定基準、又は局地激甚災害指定基準に基づき判断されます。中小企業関係では、一定の基準に合致する場合、災害の政令指定が行われ、特例措置が適用されます。

(2) 一般災害対策

一般災害については、政府系中小企業金融3機関による災害復旧貸付や中小企業体質強化資金助成制度による融資等が講じられています。


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