2.組合に対する助成措置

(1) 金融上の助成

①中小企業事業団の高度化資金は、ほとんどが組合を対象にしていますので、共同施設などの設置について低利・長期の融資が受けられます。②商工中金の貸付は、原則として組合と組合員に限られていますので、組合を設立することによって利用することができます。③中小企業金融公庫や国民金融公庫の融資、中小企業体質強化資金助成制度、中小信用保険公庫及び信用保証協会を通じての信用補完制度においても、組合に対する特別措置がとられています(「4.中小企業のための金融」の項を参照)。

(2) 税制上の助成

組合には法人税の軽減、事業利用分量配当の損金算入、留保所得の特別控除など法人税における優遇措置があるほか、印紙税、事業税、不動産取得税、固定資産税などにおいても減免措置があります(「5.中小企業のための税制」の項を参照)。

(3) 中小企業団体中央会からの助成

組合事業の活性化等のため、国や都道府県からの補助のもとに中小企業団体中央会から次のような助成等が行われています。

 ①組合等中小企業連携組織交流促進事業

経営資源の少ない中小企業が円滑に事業を行うためには、自ら有しない経営資源を他に積極的に求めることが必要です。このため、都道府県中小企業団体中央会が地域の実情を踏まえたテーマを設定し、交流会等を開催することにより「出会い」の機会を作り、企業と企業、企業と組合等の連携組織など企業間の相互関係を形成する事業に対して助成します。

 ②組合等中小企業連携組織調査開発等支援事業

単独では十分な経営資源を有さない中小企業が、組合等の連携組織を通じて、中小企業にとって特に重要性の高い問題(技術製品開発・マーケティング等)について、その解決や新たな事業展開等を図るための調査・研究開発等を行う事業対して助成します。

 ③中小企業活路開拓調査・実現化事業

地域の業界全体を取り巻く問題の解決に積極的に取り組む同業組合や産地組合、下請組合、公益法人等が、問題解決のための調査及び実現化等を行う事業に対して助成します。補助の対象となる事業内容は、次のとおりです。

  • 技術・技能の継承や後継者の育成
  • 規制緩和等による経営環境の変化への対応
  • エネルギー環境問題への対処
  • 取引慣行の是正
  • 事業の構造改善及び新たな事業分野への進出
  • 企業情報データベースの作成・広報等
  • 情報化の促進
  • 地域の中心市街地の活性化
  • その他都道府県が重要と認めた事項

 ④中小企業製・配・販オープン情報ネットワーク開発事業

従来のわが国の産業情報ネットワークは、特定の企業グループごとにそれぞれ独自のフォーマットを用いて構築されることが多く、異なるグループ間でのネットワークの接続が困難であったり、取引相手ごとにフォーマットの変換に追われるといった問題が広範に見られます。こうした問題を解決し、製造業、卸売業、サービス業等における中小企業者が効率的に情報ネットワークを導入することを可能とするため、製・配・販の関連事業分野の団体が協力して行うオープンな情報ネットワーク構築のためのフィージビリティ・スタディ、システム設計等を行う事業に対して助成します。

 ⑤新高度技術普及共同利用促進事業

中小企業者等に対して高度な新技術を普及するため、技術プロセスの各段階に応じて大学、民間企業等と連携しつつ、高度な新技術の中小企業者への技術指導・研修等を関連団体等が組織的に行い、また、中小企業者が必要に応じて設備を共同で利用できるようにし、製造プロセス全般にわたった指導、利用、試作品評価等を行うことによる、即効性のある技術の習得を支援する事業に対して助成します。

 ⑥組合情報ネットワーク化事業

組合が共同経済事業として組合員間のコンピュータを用いた情報ネットワークを構築しようとしており、既に基本的計画が作成され、フィージビリティ・スタディを終了している場合に、そのシステム設計に係る費用を補助します。

 ⑦融合化開発促進事業

中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法に基づき認定を受けた計画に従って事業を実施する異業種組合及び旧融合化法認定組合が行う新商品や新技術等の開発に対して助成します。

 ⑧外国人研修生共同受入事業

外国人研修生の受入れを行う組合が、組合員に対し外国人受入れのための講習会を開催する事業に対し助成します。

 ⑨外国人研修生技能実習移行指導事業

外国人研修生の共同受入事業を行っている組合のうち、研修期間から技能実習機関へ移行するものに対し、移行に当たっての留意点や研修結果の評価等について、都道府県中小企業団体中央会が指導員及び専門家を活用した指導を実施する事業等に対して助成します。

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