会長あいさつ
和田会長
1.昨年度の動向

    平成9年度の我が国の経済動向は、国際化の大競争の中で消費税が5%に引き上げられたことが引き金になり、消費が予想以上に冷え込んで景気が一段と悪化しました。
    さらに7月の東南アジア諸国の通貨の下落で、不況色を強めていたにもかかわらず、政府は景気対策を実施すべきところ行財政改革と金融ビッグバンに取り組んだため、月を追って不況が深刻になり、株価の暴落、金融システムの破綻が続きました。
    そのため、ついに11月に入って銀行や証券会社等大企業の倒産と、銀行の貸し渋りが表面化し、個人消費、民間設備投資の大幅な鈍化等を背景に多くの中小企業は、戦後最悪の状況に陥り、全国的に倒廃業が多発しました。
    政府は、12月から金融システムの安定化策として公的資金の導入、特別減税の実施など景気対策を実施しましたが、その効果は余り上がらず、第二次、第三次の不況対策を打ち出しましたが、先行き不透明のため、当期は終始不況のまま終了しました。

2.本会の対応

    本会では、この状況に適切に対応して倒破産を防止するため、組織の団結によりこの不況を乗り切る諸施策を実施しました。
    特に年末資金につきましては、国会議員に対しても全国中央会と協力して、財政再建を一時棚上げして不況対策を強く要望すると共に、吉村県知事さんにも陳情致しました。
    その結果、国、県の御理解を頂き、政府系金融機関及び県信用保証協会の御支援により、万全に近い対応をすることができました。
    一方、国の指定事業、県の委託事業につきましては、皆様方の御協力を頂き、当初の事業計画通り実施することができました。
    特に当県から長年、全国中央会に提案しておりました通産大臣に「中小企業担当」を付与する問題は、昨年10月23日の宮崎県で開催の全国大会において、「前文」に明記して決議をして頂きました。

3.本年度の見通し

    次に本年度は、政府は内外の不況対策の要望に対して16兆6千億の対策を打ち出したところでありますが、5月12日経済企画庁の月例経済報告では「景気は停滞し一層の厳しさを増しており、景気後退が続いている」との発表もあり、その効果に期待が寄せられている現状であります。
    一方では、更なる国際競争が、大企業を中心に繰り広げられ、合併、統廃合が行われることは、事実であります。その結果は我々中小企業にも大変化が起こることは間違いありません。
    この荒波は、今後4~5年は続くものと考えられますので、この国際競争に勝ち残るため、一段の企業努力をして頂きたいと存じます。
    そのためには、的確な情報を掌握し、持ち前の創造力、決断力、機動力と強固な組織力を発揮することが、必要不可欠になっております。
    本会と致しましては、このような状況を踏まえて本年度の事業計画案、収支予算案について、会員各位のお役に立つことを大方針として、編成をし、4月24日の理事会の御承認を頂きました。本日、その原案の御承認を頂きました上はその実施について国、県当局の御指導も頂き、活力の出る事業として推進して参る所存でございます。
    本年は役員改選の総代会でありますが改選された正副会長事務局共々一致団結して、本会事業の推進に取り組み、会員各位から「あって良かった中央会」を目指して全力投球して参る覚悟でありますから、全会員の格段の御理解と御協力を心からお願い申し上げると共に、本日御臨席頂きました御来賓各位の御支援、御指導を心からお願い致します。


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