3.週40時間制の達成率は91.6% (平成10年2月末調査)

(1) 週40時間制達成企業の状況

まず週40時間制達成企業の状況について見てみよう。
平成9年7月の第1回調査では週40時間達成済み事業所は89.5%であった。これに対し平成10年2月実施の第2回調査では達成事業所は91.6%となり、この間全体の2.1%の事業所で週40時間制への移行が実施された(図3)。

図3 週40時間達成の有無の割合

平成10年2月調査を業種別に見ると、一般機械機具製造業・輸送機械機具製造業、精密機械機具製造業、保健衛生業では100%完全実施されているのに対し、接客娯楽業では達成率66.7%にとどまり、金属製品製造業などでも80%台となっている(図4)。

図4 週40時間達成の有無の業種別割合

同様に、事業所規模で見ると301人以上の事業所は100%導入が進んでいるのに対し、1~9人の零細事業所では69.1%にとどまっている(図5)。

図5 週40時間達成規模別企業割合

こうしたことから、週40時間労働制は着実に進んできているが、その進捗状況は一律ではなく業種や従業員規模により大きな格差が見られる。今後は未達成の業種、零細小企業への支援が求められよう。

(2) 特例事業所における週46時間達成状況

次に特例事業所(商業・保険衛生業・接客娯楽業のうち従業員が常時9人以下の事業所で、週46時間の特例が認められている)における週46時間制の達成状況を見てみよう。
事業所からの回答によると達成済み事業所は平成9年7月の第1回調査では65.9%であったが、平成10年2月の第2回調査では81.3%となった。この間達成率は15・4%と大幅にアップした(図6)。

図6 特例事業所週46時間達成の有無の割合

業種別に見ると接客娯楽業では達成率が100%となっているのに対し、商業では80.6%にとどまっている。
この間急速に時間短縮が進んでいるとはいえ本格的にはこれからということができよう。

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