B−29タオ熊野協同組合(和歌山県)
■所在地:〒647-0071新宮市佐野3-14-27■電話番号:0735-31-3502■FAX番号:0735-31-3503■組合員数:34人■出資金:1,200万円■設立:平成13年6月■地区:新宮市他1市2町1村■主な業種:一般製材業、木材チップ製造業、素材生産業、肥料・飼料販売業■組織形態:環境対応型組合■組合専従者:6人

組合員、行政の協力により大規模堆肥工場を設置・運営
共同出資会社が排出する廃棄物を回収しバーク堆肥への加工・販売を行っていたが、大規模化のため、行政の協力を得て、組合を設立。加工を行うことが理解・支持された
■背景と目的
木材関連業者が製品を加工する際、多量の樹皮・木くずが発生し、これの処理に悩まされていた。この問題解決のため、昭和55年に同業者が出資し、紀南木材副製品(株)を設立、廃棄物を回収しバーク堆肥への加工・販売を開始した。その後、本事業の拡大強化が要請されていたが、新宮市内の有力製紙工場が撤退したため、この跡地を活用し要請に応えることとした。そこで、必要な資金のスムーズな調達を主目的に組合が設立され、同社から加工部門が委ねられることとなった。

■取り組みの内容
取り組みとしては、組合が組合員の工場に集荷に行き、組合に搬送する。この際、原料購入代金として1kg当たり約700円を組合員に支払う。集荷した廃棄物は、組合工場で選別・粉砕のうえ、発酵・熟成させる。この段階で作業員により、切り返し作業が2〜3回行われる。1年後、十分熟成したものが包装されユーザーに出荷されるが、販売業務は紀南木材副製品(株)が一手に行っている。組織体制としては、組合役員は全員同社役員を兼ね、理事長も同社社長になっている。設備としては、4,500坪の敷地に、バーク堆肥切り返し棟とバーク堆肥袋詰め工場棟(事務所を含む)が建設されており、今後更にオガ粉製造と製品倉庫棟を新設する予定である。建設完了分の工事代金は、358百万円で、建設の際には、農林水産省の「林業山村活性化林業構造改善事業」を利用した。

■成果
事業は順調に推移しており、月商ベースでみると初年度7,322千円、2年度8,915千円となっており、2年度には利益を計上している。性能の優れた装置の導入により、省力化やエネルギー効果が向上したことも黒字化の要因である。大規模処理を組合で行っていることが、他府県の注目を集めている。今後、紀南木材副製品(株)との連携のもと、販路開拓や原材料の特質、地域特性を活かした新製品開発にも取り組む予定である。