B−2 協同組合気仙ファーマシー(岩手県)
■所在地:〒022-0002大船渡市大船渡町字山馬越182-4■電話番号:0192-26-6231■組合員数:14人■出資金:1,848万円■設立:平成5年12月■地区:大船渡市、陸前高田市、気仙郡住田町■主な業種:保険調剤薬局■組織形態:同業種同志型組合■組合専従者:10人

組合主導で医療廃棄物の適正処理を推進
在宅患者から排出される注射針・注射器等の100%回収を目指してPR活動を実施。針刺し事故を防ぎ、医療廃棄物の適正処理を推進する
■背景と目的
当組合は、平成5年に気仙地区の保険薬局の経営者15名によって設立された。当初は医薬品備蓄センターとしての役割と調剤教育・研修の場であったが、14年に地区内の県立病院の院外処方箋発行に伴い、在宅患者の医療廃棄物処理(特にインシュリンの注射針・注射器)が問題となった。一般ゴミと一緒に出された注射針による「針刺し事故」(ゴミ処理作業員の指に針が刺さる事故)が各地で起きていたのである。この問題について、県が主催する関係機関の協議会においても話し合われ、当面、販売者である薬局が処理することとなった。

■取り組みの内容
患者に注射器を販売した際、回収ボトルを無料で提供し、使用済み注射針等を回収ボトルに入れて薬局に持参するよう協力を求めている。回収ボトルには、医薬品が入っていた使用済みのプラスチック容器を再利用している。薬局で回収されたボトルは、組合が設置したボックスにまとめられ、組合本部に搬入される。組合は廃棄物処理業者と委託契約を結び、組合員から持ち込まれた回収ボトルを一括処理している。

■成果
薬局店頭での啓蒙活動により、医療廃棄物に対する患者の意識も着実に高まってきている。今後の課題は、回収量の増加に伴う処理費用の増加である。県・市町村負担で行うことも考えられるが、予算計上されるためには、地区内の注射器利用患者数等のデータに基づく排出量・処理費用の見通しが必要であり、病院や医師会との連携が不可欠となっている。また、医療廃棄物排出の実態を把握するため、アンケート調査を行う予定である。