A−9 東京都古書籍商業協同組合(東京都)
■所在地:〒101-0052千代田区神田小川町3-22■電話番号:03-3291-5209■FAX番号:03-3291-5353■組合員数:690人■出資金:21,108万円■設立:昭和22年9月■地区:東京都■主な業種:古書籍販売業■組織形態:同業種網羅型組合■組合専従者:11人■URL:http://www.kosho.or.jp/

古本屋さんの組合が経営革新を実施し事業を再生
古書籍販売業の組合が、経営革新計画の承認を受け、高度化資金の無利子融資を活用し、新会館を建設。組合HP「日本の古本屋」、古書交換会事業、即売展事業の再生に成功
■背景と目的
出版不況と言われる中で、出版業界と深い関わり合いを持つ当業界にとって、近年の古書籍交換会の出来高の下降は、業界の将来に対する不安を醸成していた。こうした状況を打開するため、平成9年に組合のホームページ「日本の古本屋」を立ち上げたところ、好評を得ていた。そこで、組合員の更なる事業意欲向上策として、新会館の建設に挑戦することとなった。

■取り組みの内容
平成12年、新会館建設による既存事業の再生を経営革新支援法に基づく経営革新計画にまとめ、東京都知事の承認を得た。その計画遂行のため、特定高度化事業の融資を申請し、必要な資金約10億円のうち、7億円を調達することができた。新会館には、組合員間のデジタルデバイド解消のため、組合員がいつでも使える6台のパソコンを設置した。また、交換会事業実施のためのスペースとして、保管場所を含め3フロアを確保し、毎日、ジャンル別に開催している。即売展は、地下ホールに設置した多目的ホールで、いつでも開催できる環境を整えている。

■成果
新会館での業務は、平成15年7月から開始したばかりで、成果について数字で示すことは難しいが、HPの場合、昨年度の月平均受注高が1億2,300万円であることから、これにどれだけ上乗せできるか注目している。交換会のIT化については、古書籍という商品の性質、その点数の膨大さに加え、組合員間のITレベルの格差など、未解決の問題を多く抱えている。現状では、試行錯誤を繰り返しながらも、手記入・手集計の部分のIT化に甘んじている。今後、開・入札システムをIT化し、処理能力の向上を図る予定である。即売展事業については、一般のユーザーが自由に入れることもあり盛況である。