○集団化・共同事業の背景
団地化以前の組合員企業の状況はほとんどが町工場的存在であり、また、その周辺の環境は住宅・商店が建て込んで騒音等公害問題が顕在化していた。しかし、当時、日本経済の発展に伴って中小零細企業は規模の拡大・技術の進歩に対応した新工場への展開期にさしかかりつつあった。このため、公害に新たな工場団地を造成して、同業種協業による機械設備の近代化、コスト低減、流通面での効率化など業界の構造構造を図る気運に迫られていた。
○事業活動の概要
印刷業務の一連の行程の中で、その中枢を占める製版→刷版→印刷→製本を共同化している。すなわち3事業部(特殊印刷事業部、製本事業部、製版事業部)を設け、高性能設備を導入、生産の合理化・省力化を図り、組合員の経営向上に貢献している。あわせて、電気事業部を設け、共同施設として共同高圧受電事業を開始、組合員の電力負荷容量、使用電力量の増加への対応、電力量の削減を目的として電力料金の低減を図っている。
○成果
変化の激しい印刷業界を生き残るためには、組合員企業個々では高額な設備導入や工場用地の取得には限度があったが、共同化により近代的な団地工場に高性能の製版設備等を導入しエリアの拡大と各組合員の能力以上の受注量増加並びに組合員企業のコスト低減、合理化省力化を図ることに成功した。
また、従業員のモラルアップ、活性化にも寄与し、優秀な技術者等人的資源の活用も図ることができた。今後激変するマルチメディアへの対応が一層重要になってくるこの業界にあって将来の活躍を期待したい。
|