○集団化・共同事業の背景
当組合は昭和37年に設立され、現在(平成10年9月現在)76企業が加盟し団地を形成している。集団化の契機は環境保全の視点から登り窯の使用禁止と従来からの京焼き・清水焼作業場の狭隘化、老朽化など作業環境面での悪化が目立ち、これらの解決が業界の急務となった。昭和36年清水焼団地造成同志会が発足し翌年組合を設立、現在地を適地と定め団地を買収、幾多の困難を克服し、昭和40年より各企業の移転を始め昭和42〜3年頃より陶器のまちとしての全容を整えてきた。昭和47年には床面積4,500u8階建ての団地会館が完成し総面積82,500u建設費20億円の投資による団地が完成した。
○事業活動の概要
組合の特徴としては、一般製陶業者だけでなく陶芸作家、人形、卸商、電磁気、原材料、資材など組合員の業種が多彩なことにある。製陶業者だけで構成されている他の組合と異なり、製陶業中心の共同事業実施にあたっては困難が伴う反面、団地内での相互補完体制はとりやすい状況にある。本組合の設立は京都の伝統産業である陶磁器の生産拠点形成への布石ともなっている。主たる共同事業としてはLPガス供給事業、資金融資事業、共同倉庫事業等を行っているほか、毎年7月に「清水焼団地まつり」を一般製陶業者、卸商が中心となり開催しているが、市内はもちろんのこと全国各地から多くの人々が集まり、陶芸教室などを含むと年間40万人の観光客が訪れている。
○成 果
伝統に培われた清水焼の業況は平成3年頃まで消費者の根強い高級志向に支えられ比較的順調に推移してきたといえるが、不況の浸透、消費者ニーズの多様化、生活様式の洋風化等による需要停滞、他産地との競合激化、さらに後継者、若手技術者の不足など厳しい経営環境となっている。しかし野々村仁清や尾形乾山等の名工が育んだ清水焼の輝かしい伝統を受け継ぎながら、団地としての機能を十分発揮するために、団地そのものが「そのまま美術館」をキャッチフレーズに総合展示場の整備等を含めたまちづくり構想を明確化し、若者が夢を託せる団地のまちづくりに、組合員の英知を結集することとしているほか、相互に協力するための組合員の自助努力を支援する組合事業の推進を図っいる。
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