○事業の背景
昭和63年に組合が結成されてから10年が経過した。この間、消費税導入、バブル経済とその崩壊、産業の空洞化、最近では金融破綻など経営環境は不透明な状態が続いている。そのような経済状況の中で中小企業がどのように活路を見出していけばよいのか、どのように現状打破を図るのか、わが社の方向性はこれで良いのか、という意識が組合員に強くあった。とりわけ後継者育成と経営幹部育成は先延ばしすることが出来ない課題であった。
○事業活動の概要
後継者育成と経営幹部育成、そして情報交換を目的として平成2年に臨空研修会(通称:青年部)を設立した。メンバーは各企業の後継者あるいは幹部社員で構成されている。事業活動は3つに大別され、一つは定例会の開催で基本的に年間11回開催している。ここでは情報交換や講師を招いての勉強会を行ってきた。2つ目は、先進工業団地視察事業であり、組合が臨空研修会と一体となって取り組んできており、基本的に毎年開催されている。3つ目は活路開拓ビジョン調査事業である。平成8年度に実施し、アンケートによる各社経営者と青年部メンバーの意識調査・研修会を行い、ビジョンを提言し報告書『21世紀に向けての中小製造業の生き方について』の作成を行った。また、平成10年度には「ビジョン調査事業のその後」というテーマで事業に携わった専門委員を招き、研修会を2回開催した。
○成果
①組合員及び青年部メンバー同士の交流が深まり、情報交換や経営アドバイスが行われるようになった。②各地の生の情報に触れ、体験をすることにより、企業間交流のあり方や取り組み方を知った。また、海外視察の場合には文化の違いなども体験的に知ることができた。③組合員企業の中でお互いの技術交流を進めて、新製品作りに取り組むという事例も生まれた。④綿密な調査により、各企業の経営課題、組合としての課題が明確になり、具体的に取り組むことが出来るようになり、各社の基本的な方向性が明確になった。⑤追跡的な研修を行うことで、継続性が生まれ、現時点におけるフィードバックを得ることができた。ことなどが上げられる。
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