D−16 愛知県珪砂鉱業協同組合(愛知県)
■住所:〒489−0808 瀬戸市見付町38−4 ■電話番号:0561(82)4125 FAX:(84)1844
■設立:昭和2年8月 ■業種:天然珪砂・耐火粘土採掘加工業 ■組合員:65人 ■出資金:4,254万円
■地区:瀬戸市他5市町 ■組合形態:産地組合 ■組合職員・従業員:40人 ■専従理事:4人

暮らしの中に生きている瀬戸の珪砂
 公有地にある天然珪砂の採掘を組合の共同事業として行い、組合員に長期的、安定的に原料珪砂を供給して組合員の操業の安定化と経営の合理化を図っている。
○事業の背景
 瀬戸地区はガラスの原料となる天然珪砂の埋蔵量が豊富にあるが、大半が公共地で占められている関係から、行政機関との連携が重視される。珪砂の精製加工販売業者にとって、原料の珪砂が長期に安定した価格で供給されることが重要であることから組合の共同事業として採掘を開始した。

○事業の概要
 組合は、当初、採掘事業を外部に委託していたが、組合事務局の強化と設備機器の機械化を図り、昭和48年に組合の直轄事業とし、現在に至っている。組合員は組合から購入した原料珪砂を精製加工して板ガラスメーカー等の販売先に納入している。組合は、自己採掘のほかに採掘専業者から原料珪砂を共同購入し、自己採掘分と合わせて組合員に供給している。採掘跡地は、埋め戻し、整地・緑化により復元している。また、原料輸送に伴う騒音・粉塵等の大型ダンプ公害に対しても、ゼッケンプレート表示による市民通報制度の導入、鉱山周辺の整備、清掃車による定期清掃、運転マナー向上のための講習会の開催などにより環境保全と地域住民への配慮を行っている。

○成果
 組合員は原料珪砂が安定して供給され、精製加工の操業が安定するとともに、経営の合理化が図られている。また、採掘が機械化され、原料コストの低減が図られ、取引ルートの安定化により無理な価格競争がなくなり、取引上のトラブルも発生していない。近年、ガラス需要の低迷と輸入珪砂の増加によって瀬戸地区のシェアは低下傾向にあるものの、全需要の半数近くが民間鉱山からの供給に依存していることから、今後、組合への依存が高まるものと予測される。