D−15 島田空板工業協同組合(静岡県)
■住所:〒427−0005 島田市岸町797−1 ■電話番号:0547(37)7281 FAX:(35)7128
■設立:昭和35年9月 ■業種:空板製造業 ■組合員:12人 ■出資金:9,918万円
■地区:島田市他2市 ■組合形態:同業種同志型組合 ■組合職員・従業員:21人 ■専従理事:−

共同の利益を追求し、組合員とともに繁栄を図る
 空板(蒲鉾の板)の生産工程のうちの製材や乾燥などの共同加工場を設け、組合員の負担軽減やコスト削減と作業環境の改善に実績を上げている。
○事業の背景
 島田市は全国の空板生産量の4割近くを占めている。空板は、各蒲鉾メーカーの商品ごとに厚みや幅が違うことから、その種類は400以上にのぼる。このため、大量生産は困難であり、大企業の参入が難しく中小企業の持ち味を生かせる分野である。反面、広い土地や多くの施設を必要とするため、組合員単独では負担が大きい。そこで、工程の中で、特に大きな投資を要する加工場の共同化が必要となり、共同加工場を設置し共同加工事業を開始した。

○事業の概要
 共同加工場では空板の生産工程のうち、丸太の切断から皮むき、製材、乾燥までを行い、木材を長さ2mの板にして組合員に受け渡している。組合員は、その表面を削り、さまざまな種類の空板へと加工する。製材から乾燥までの工程では、重油を使わずにオガクズ、皮(バーク)を燃料として利用しており、産廃の処理などにも役立っている。共同加工技術の改善については、傘下の青空会(青年部)が担当、作業環境改善事業により職場関係の改善のための研究をすすめ、その1つとして“のこくず”の飛散防止のための技術開発も行っている。

○成果
 共同加工事業は組合員の投資負担の軽減に寄与している。また、加工コストも低く、品質面でも群を抜いており、全組合員が利用している。そして、組合員との永い信頼関係のもとに、組合員の共同の利益を追求するため、組合活動を積極的に推進し近代化を図るなど、意識の盛り上がりをみせている。特に、青年部の活動は21世紀へ向けての新たな一歩となるものである。