A−40 大有田焼振興協同組合(佐賀県) |
■住所:〒844−0000 西松浦郡有田町中部丙954−9 ■電話番号:0955(43)2121 FAX:(43)2100
■設立:昭和54年5月 ■業種:陶磁器製造販売・同関連業 ■組合員:517人 ■出資金:2,175万円
■地区:佐賀県 ■組合職員・従業員:7人 ■専従理事:1人 |
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産地技術を利用した新しい生活資材の多面的な提案の場を設定 |
陶磁器に対するニーズの変化に対応するため、大手ホテルと提携して「大有田焼プラザ市」を毎年開催。新商品・市場の開発と顧客主導型マーケティングノウハウの習得の基礎をつくる。 |
○事業活動の背景
最終ユーザーである料亭やホテル業界の不況により当産地の主要製品である高級和食器の販売は低迷している。また、当産地と棲み分けの関係にあった家庭用食器などの他の陶磁器産地が、海外からの廉価な製品の流入に対応するため、当産地の主要市場へ参入するようになり競合が激化し、組合員の収益が低下しはじめた。産地内の一部窯元による工程の統合、配送・在庫管理業務への他業種からの参入など、伝統的な産地内分業構造も変化している。組合員は雇用調整やパート導入など、労務コスト削減で対応していたが、小規模・零細業者の中には業態を転換する者もあった。そこで「脱和食器」「脱食器」という多角化の流れに対応するため、産地の技術を活用した新規市場の開拓を図ることとした。
○事業活動の概要
これまでデパートなどで展示即売会(ミニ陶器市)を開催してきたが、新規需要開拓のため、空間創造や接遇ノウハウを持つ大手ホテルとタイアップして「大有田焼展」を開催し、消費者に新商品や新しいライフスタイルを提案している。毎年、組合とホテルが協議して「大有田焼展」の統一テーマを決定し、組合員から参加者を募集する。参加希望者は統一テーマに基づくコンセプトを具現する商品を企画し、主催者などから助言や指導を受けてテーマとのすりあわせを行った後、商品を製作・展示している。過去の統一テーマとしては「磁器創造・白い夏」「歌・舞・器」などがあり、いずれも新しいセラミックス技術を活用した生活資材、景観材による新しい生活シーンを提案した。
○成果
事業を通じ、伝統的な食器の延長として中華食器や年中行事用の食器が商品化された。また、優れたセラミックス技術を活用したインテリアやエクステリア、景観材の開発など、多角化も進行している。景観材については地元有田町が実施している景観整備事業への利用を契機に、商品化が進んでいる。大手ホテルと共同で事業に取り組んだことで、参加企業を中心に、顧客主導の商品企画やコンセプトに基づく商品開発の手法など、産地の将来にかかわる貴重な経営資源を得ることができた。 |