A−37 高知県手すき和紙協同組合(高知県)
■住所:〒781−2128 吾川郡伊野町波川287−4 ■電話番号:0888(92)4170 FAX:(92)4168
■設立:昭和51年6月 ■業種:手すき和紙製造業 ■組合員:43人 ■出資金:452万円
■地区:高知県 ■組合職員・従業員:6人 ■専従理事:−

販路拡大と後継者育成を推進し、国内外への進出を図る
 土佐手すき和紙製造業は、近年、厳しい経営環境におかれているが、伝統と文化を守るため、新規需要開拓と後継者育成などに取組み、産地の活性化を図っている。
○事業活動の背景
 土佐手すき和紙は、県内産の楮や三椏を原料としている。良質な手すき和紙の生産は、長年にわたり家内工業により行われ全国的にも認知されていたが、機械すき和紙が大量生産されるようになり、手すき和紙業界の経営環境は悪化した。手すき和紙の生産が減少するとともに、組合員も減少した。そこで、土佐手すき和紙の技法を次世代に継承するとともに、新たな需要を開拓するため後継者育成と販路の拡大を図ることとした。

○事業活動の概要
 販路の拡大を図るため、展示会を充実させた。県内向けと全国向けの展示会を実施しており、県外では東京、京都、大阪、香川、熊本などで開催している。また、展示会と併せて、福井県などの県外の産地と連携し「手すき和紙青年の集い」を開催した。海外にも目を向け、アメリカにアンナショッップを設けてPRを行っているほか、中国においても「紙の里がえり展」を開催した。後継者育成については、若手による新技術の研修を土佐工芸村で行っている。研修には、県外からの研修生も参加し、技術研修のほか新製品・新技術の研究に取り組んでいる。

○成果
 展示会の開催により、土佐手すき和紙の知名度が上がった。また、アメリカでのアンテナショップには大きな反響があり、取次店としての顧客の注文を受けるようになっている。後継者育成の面では、技術研修会により、技術の向上と品質の向上がもたらされるなど、土佐手すき和紙の伝統と技術が守られる土壌が築かれた。さらに、新技術の研究等により、ユーザーの要望(ちぎり絵:版画用紙、水墨画用紙等)に応えることで、手すき和紙の評価を高めている。