○事業活動の背景
祝儀用水引の需要は、生活意識の変化や伝統的儀式の簡素化等により、年々減少している。加えて、一般用金封(のし袋)は、大型店による海外生産品の販売により、一段と厳しい状況になっている。このような状況を打破するため、組合においても共同宣伝・販売促進事業を積極的に実施してきたが、効果はあがっていなかった。そのため、組合員においては問屋の排除、新たな販路開拓や新商品による新分野開拓を目指す動きが出てきていた。
○事業活動の概要
組合設立以来、地場産業振興センターへの展示コーナーの設置や各種パンフレットの配布など、共同宣伝・販売促進事業を柱として実施してきたが、その効果は芳ばしくなかった。水引製品が工芸品的要素をもつため、従来から、組合員の多くは一匹狼的な体質をもっており、組合において新製品を共同開発するのは困難であった。しかし、信州博や長野オリンピックの開催を契機に、青年部が中心となって新製品開発に関する研究が始められた。開発する製品は、今までの冠婚葬祭主体の商品ではなく、装飾品分野の商品を開発することとなった。
○成果
青年部を中心に、長野オリンピックやパラリンピックに向けた商品開発に取り組んだことは、これまで秘密を当たり前として、共同化を阻んできた慣習に新風を吹き込むこととなった。これを機に、冠婚葬祭主体の商品から脱却した商品の開発をさらに進める予定であり、これまで販売促進に偏っていた組合活動も、本格的なマーケティング活動が可能になる素地ができた。
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