D−11 田辺港輸入木材協同組合(和歌山県)
■住所:〒646 田辺市朝日ケ丘24−20 ■電話番号:0739(22)0580 FAX:(22)7989
■設立:昭和44年4月 ■業種:製材業 ■組合員:7人 ■出資金:31,500千円
■地区:田辺市 ■組合形態:同業種同志型組合 ■職員・従業員:15人 ■専従理事:2人

組合員の産廃物を利用して堆肥生産を事業化
 製材の際に発生する樹皮を原材料とし、大手林業会社の協力を得て組合で始めた堆肥生産は、軌道に乗っており、産廃物の有効活用事例として各方面で注目されている。
○事業の背景
 昭和40年代より、内材に比べ値段の安い外材の輸入量が増加、これにともない製材の際に発生する原木樹皮の量も増加することとなった。この処分については空き地への投棄、焼却、埋立という方法がとられていたが、費用がかかるうえ自然発火、大気汚染などの新たな環境問題を抱えた。こうした中、組合員の外材輸入窓口である住友林業の協力もあり、樹皮を利用した活性堆肥(バークミン)の生産により、環境問題に対応することとした。そこで田辺木材(協)の組合員のうち外材の製材を行っている組合員が、当組合を設立、組合事業として実施することとなった。

○事業の概要
 組合員から樹皮を購入し、住友林業の技術指導を得ながら生産を行っている。バークミンは、木材樹皮を粉砕、精選し、これに発酵促進剤や窒素源等を加え、好気性菌の働きにより、促成発酵したもので、地力培養、造園緑化に利用されている。生産設備は12,434uの敷地に、工場や堆積場をもち、樹皮粉砕機、配合機などの機械設備を備えている。製品品質検査は住友林業のブランドを使用する関係上、同社と協力している。販売は県外が住友林業グループ、県内が農協を通じて行われている。

○成   果
 売上推移は、平成5年度2億4,000万円、6年度2億6,000万円、7年度2億9,000万円と順調に推移している。本事業は生産事業部が担当しており、部のメンバー12名のうち生産現場に9名配置されている。これにより、組合員は、経営基盤が強化され、組合としても、産業廃棄物有効利用の成功事例として各方面から注目を集め、毎年見学者数が100人にも及ぶなど、知名度の向上につながっている。成功要因は住友林業グループの協力が得られたこと、組合職員がバークミン啓蒙のため県下の農家廻りを積極的に行ったことがあげられる。