D−3 仙台印刷工業団地協同組合(宮城県)
■住所:〒983 仙台市若林区六丁の目西町1−43 ■電話番号:022(288)5171 FAX:(288)5173
■設立:昭和39年12月 ■業種:印刷業 ■組合員:23人 ■出資金:89,244千円
■地区:仙台市 ■組合形態:工場団地組合 ■職員・従業員:4人 ■専従理事:1人

共同受注、金融事業等により経営近代化を推進
 官公需受注を安定的に確保するため共同受注を実施し、組合員の経営基盤が強化され、さらに金融事業及び設備貸与事業の充実により、組合員の経営近代化が着実に推進されている。
○事業の背景
 印刷業界は景気の動向により受注量が大きく変動するため、安定的な受注を確保する必要があった。また、印刷機械の技術革新がめざましく、ユーザーニーズも多様化したため新たな設備投資が必要になっていたが、印刷機械は高額であるため、低利で安定した設備資金の確保が強く求められた。

○事業の概要
 共同受注事業は組合が窓口となって県及び市から受注を受け、各組合員に適宜配分している。平成7年度の受注高は約6億円であり、ここ数年安定している。金融事業は土地の評価額を一定限度として、組合が商工中金からの転貸融資、手形割引を行っている。組合が組合員から根抵当を預かっているのが大きな特徴である。設備貸与事業も組合が一本化して低利な設備貸与を行い、組合員の経営近代化を側面から強力に支援している。これらの事業推進に組合が積極的に取り組んでいることと事務局の適切なサポートがミックスされ効果がより高まっている。

○成   果
 共同受注事業により組合員の売上高が向上したほか、金融事業及び設備貸与事業の充実により組合員は必要時に低利な資金を利用できるようになり、設備の拡充と経営の近代化が進んだ。一方、組合は組合員の経営内容を的確に把握することが可能となり、効果的な事業活動を実施している。成功要因としては、組合員間相互のコミュニケーションが大変良いこと、組合の強いリーダーシップ、事務局の適切なサポートがあげられる。今後の課題としては、将来の団地全体の再開発への取り組みが指摘される。集団化以来、30年余を経過しており、新しい飛躍をめざして抜本的なプランづくりが必要となる。これに対応するために組合内に専門委員会を設けるとともに関係機関等の協力を得て21世紀に向けてのビジョンづくりに着手することが望まれる。