A−17 富山県綿スフ織物工業組合(富山県)
■住所:〒939−15 東礪波郡福野町布袋20−3 ■電話番号:0763(22)5988 FAX:(22)5968
■設立:昭和29年10月 ■業種:綿スフ織物製造業 ■組合員:22人 ■出資金:37,450千円
■地区:富山県 ■組合形態:産地型組合 ■職員:22人 ■専従理事:1人

生き残りを賭け、構造改善円滑化事業を実施
 織物の広幅化、高速化に対応するため、長期にわたり地盤沈下している綿スフ織物業界の生き残りを賭けて、最新のサイジング機、オートドローイング機を導入した共同施設を建設。
○事業の背景
 綿スフ織物は、アジア諸国の追い上げ、ニット製品等との競合により需要そのものが低迷した。経営の合理化を図るため、共同廃棄事業を行ったものの、効果はあがらず、組合員は大きく減少した。その間、消費者ニーズが多様化・高品質化したのにともない、素材の複合化と織物の広幅化が進み、高速化も求められるようになり、コストダウン要請も厳しくなってきた。一方、熟練技術者の育成は困難な状況となっており、多くの組合員の間では、現状のままでは近く廃業の道を歩むしかないという意識が根づいていた。このような中、最後の生き残りを賭けて構造改善円滑化事業の実施に踏みきった。

○事業の概要
 高度化資金を活用し、総額3億8,000万円を投じ、経糸の糊付けを行う最新鋭のサイジング機械と熟練技術者不足をカバーするオートドローイング機械を導入した共同施設を建設した。また同時に、組合員の実態調査、経営指導などを行い、組合員意識の高揚を図りつつ、事務局機能の強化を図った。さらに、主体的で公平な運営を行うため、専門家を専務理事として招き、共同施設の運営と新製品、技術の研究開発体制も整備した。

○成   果
 繊維織物の複合化・広幅化に対応できるようになった結果、受注先である産元商社のニーズにも応じることが可能となり、受注が増加した。また、オートドローイングの導入により、技術者不足をカバーしつつ作業は迅速化され、納期に対応することが可能となった。今後は、技術者の育成及び異業種との交流・連携を強化し、新しい素材・新しい用途を開拓し、ビジネスチャンスを拡大させていくことが求められる。