○事業の背景
相次ぐ円高と大手自動車メーカーの海外進出で、国内の下請業者はその都度、受注減やコストダウン要請を受けてきた。しかし、アルミ製自動車用エンジン部品やホイール等の大手メーカーの協力工場には、親企業と一緒に海外に生産拠点を移すだけの力がないため、今後も注文を受けるためには、国内で価格競争力があり高品質な製品を納入する以外に道はなかった。そこで、鋳造部品を納入していた企業5社が、別々の生産工程(鋳造、溶接、熱処理、仕上加工、砂中子製造)を担当し、1つに統合する道を探ることとなった。
○事業の概要
5社が集まって一貫生産体制を作ることに意見が一致、全部協業の組合を設立することになった。平成7年8月、近代的な工場が完成し、全組合員が新工場に移転、同年9月より操業が開始された。新工場への総投資額6億8,300万円のうち、約8割にあたる資金を高度化資金で賄っている。
○成 果
成果としては、@5カ所の工場で分散生産していたものを1カ所に集めたことにより、相互の搬入・搬出がなくなり、大幅に物流コストが削減された、A相互の生産計画を知ることができるうえ、親企業とのネットワークもあるので生産・品質管理が容易である、B新工場に最新設備を導入したので、生産性の向上、労働環境の改善、公害防止等が図られた等があげられる。
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