○事業の経緯
国際化の進展に伴う取扱商品の競争激化や消費者ニーズの多様化により多品種の商品供給が要求されていた。このような経営環境の中、フィリピンのバナナ園を視察中に日系2世と知り合ったことが、現地で契約栽培をする景気となった。沖縄から種苗を持ち込み、栽培実験を手がけるなど試行錯誤の結果、商品化のめどが立ち、本格的な契約栽培事業として結実した。
○事業の仕組
県内需要の高いモンキーバナナ、田芋、ゴボウ等をフィリピンのミンダナオ島南部の農場に契約栽培させ、輸入する仕組みとなっている。契約栽培先に栽培技術を指導し、品質の良い青果物を安定供給できる体制を確立した。
○組織の体制
この事業実現化の中心になったのは理事長で、県内需要に即した農産物を外国で計画生産するメリットを展望した理念に負うところが大きい。また、本事業を統轄し、輸入業務を行う事業部の職員の貢献度も高く、とりわけ契約栽培の技術指導を丹念に実践した役割は、大きいものがある。
○成 果
県内需要の高い青果物を契約栽培させ輸入することにより、安い価格で安定供給できることが最大の成果であり、特に県内が端境期で品薄状態の時期に安定供給できる体制が確立したことの効果は大である。また、これまで取り扱っていなかった青果物を発掘し、輸入するシステムを構築できたことは、今後事業を拡充・強化する大きな契機となる。県内の需要動向や特性を考慮した青果物を選定し、委託栽培させることができたことと粘り強い技術指導により品質の良い青果物を生産する体制が確立したことが事業の成功要因である。
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