○事業の経緯
縫製業界は、円高などによる景気変動に大きく左右される業界であり、組合への加入・脱退の変動も少なくない。そこで、組合員にメリットのある事業として、中国人研修生を受入れることとした。当初は、理事長と事務局が中心に、一部の組合員の活動として事業を推進してきた。現在、事業開始から3年目を迎えるが、受入れを希望する組合員も研修生の募集人数も順調に増加している。
○事業の仕組
組合が、組合員の希望をまとめ、日本輸出縫製品(工連)上海事務所を通じて、江蘇省張家港市海外技術合作公司へ申し入れ、同市内の企業3社より研修希望者を募集現地を訪問した視察団が選定基準に合った候補者の中から選抜している。各組合員への配分は、労働保険の加入数に比例させている。研修は時間割りを作成し、日本語、生活習慣、縫製技術等の集合研修を延べ3ヵ月行った後、受入企業の生活指導担当者のもと、各企業内で実技研修を実施している。
○成 果
受入企業にとっては、実技研修が人手不足のカバーとなっているだけでなく、高齢化している従業員が指導者の立場になることによって、職場における行き甲斐を得て企業内が活気にあふれてきたという大きなメリットがみられる。また、研修生1名につき月5,000円の特別賦課金を徴収することによって、組合財政の安定が図れるうえに、将来的に研修終了者の数が増え、張家港市に研修修了者を集めた生産拠点を作る構想もある。
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