○事業の経緯
同一の親企業の系列に属し、同じプレス・溶接の仕事をしている5社が、バブル崩壊後の国内不況、円高による厳しい受注環境を乗り切るために、平成2年に協業組合を設立。親企業に隣接した空地632平方メートルを取得、4階建の集団化工場を建設し、従業員ともども全員が1つの企業体として仕事をする体制(全部協業)とした。親企業と一体化した物流とコスト削減を達成し、納期短縮にも効果をあげた。
○事業の仕組
散在していた今までの工場を廃棄して、機械等を持ち寄り、新しい4階建の工場(1〜3階プレス及び溶接の作業場、4階事務室兼研究室)を作り各階に倉庫を設け、それぞれエレベーターで結ぶ近代化された建物(延1,607平方メートル)で効率も良い。この工場の建設資金は、高度化資金で賄っている。
○組織の体制
組合員は5名と少なく、かつ全員が1つの工場にあるため、毎週1回、幹部クラスを含めた8名が集って会議を持っている。仕事の進行の確認、意思の疎通はこの会議で行われている。
○成 果
親企業の隣接地に工場を建てたため、一体化された物流体制もとれ、連絡も良く、人の面でも社員の出向を受けるほどである。技術指導、教育の面でも、同じ会社のように取り扱ってもらっている。組合自体は零細企業の集まりであるので、労務面(労働時間、賃金等)、経営意識(組織に対する考え方、管理についての知識等)の違い等いろいろな面でギャップはあるが、徐々に改善されつつある。全部協業により1つの企業体として機能しているので、信用力も高くなっている。さらに、ロボットの導入や省力化を図ることにより、効率的な生産体制を築いている。
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