H5先進組合事例、塩尻機械金属工業協同組合〔長野県〕
■住所:〒399-07 塩尻市大門1010-1 ■電話番号:0263(54)2807 FAX:(53)4221 
■設立:昭和38年5月 ■業種:精密・電子機器部品製造
■組合員:45人 ■出資金:10,220千円 ■地区:塩尻市
■組合形態:同業種同士型組合 ■専従理事:1名

ハードからソフトへと発展する労働環境の改善
 共同研修、共同福利厚生を目的として昭和60年に建設した「工業会館」の事業経験をもとに、平成3年より雇用環境整備、採用活動等の事業を実施し成果を上げている。

○事業の経緯
 中小企業は慢性的な人手不足に陥っているが、これを改善するには、施設や労務管理面での労働環境の整備が必要となる。施設面では昭和60年「工業会館」を建設し組合員企業の福利厚生、従業員教育に役立ててきた。この事業経験から、人手不足解消には、この事業に加え、雇用条件、労働条件の近代化、採用活動の合理化の必要性を感じていたところ、平成3年国、県の支援により「中小企業人材確保推進事業」の指定を得たので懸案となっていたこれら事項の改善事業に取組んだ。

○事業の仕組
 事業の主な内容は、労働時間の短縮を狙った「雇用環境の改善事業」及び人材確保を狙った「採用活動の改善事業」であるが、これらは国の助成事業でもあることから、県、国の機関より指導、助言を受けている。また地域の大学等にも協力を求め実施した。

○組織の体制
 この事業のために、在来の委員会のほかに専門組織として「人材確保検討委員会」を設け、その下に「人材確保推進員」を設置し、理事長の直属組織とした。

○成果
 労働時間の短縮について具体的に取組む企業10社、就業規則等労働条件の見直しと改善を実施した企業7社、採用活動の改善により成果を上げている企業3社等があるほか、全体として意識の向上が見られる。労働環境改善にとって当面の最大課題は「労働時間の短縮」にあると考えられ、人材確保の上からも時短問題は避けては通れない。さらに「時短問題」は「現場生産性向上問題」と表裏の関係にあり、そのためには省力化投資、人材育成等解決すべき問題も多い。組合事業はいわば基盤事業とみて良く、如何にこれに肉付けするかが、組合員の今後の課題でもあろう。