○活性化を必要とした背景・経緯
竹人形の製造は、従来から生業的事業者によって営まれており、業界後継者もほとんどなく、産業自体の将来性が危ぶまれている状況にあった。このため、産業としての後縦者育成と“越前竹人形”自体の民芸品・工芸品としての地位確立及び竹人形製造を安定的な事業として確立すべく、生産・販売の拠点となる共同施設を越前竹人形のイメージにふさわしい場所に建設する必要が生じてきた。
○活性化ノウハウの内容
竹人形の工房、体験学習場、売店それに食堂施設を加えた共同施設を建設。竹人形の販売拠点、観光拠点としながら、一方では組合員の子弟に限らず広く一般に越前竹人形職人としての人材を募集・採用し、工房において技術普及と産業としての後継者育成を図っている。
○活性化ノウハウの内容
“越前竹人形の里”の運営に当たっては、理事長の強力なリーダーシップのもと、工房、営業、食堂の3部門を構築。それぞれの部門での自主性を尊重しながらも、理事長の直接の指揮のもとに運営されている。運営システムの全体としては、活動性の高い「会社システム」を採用している。
○活性化ノウハウ発揮後の効果
“越前竹人形の里”建設後、販売額は飛躍的に伸び、平成3年度には約5億6,000万円となった。人館者は昭和62年の37万人から3年は57万人に増加、4年9月までに延320万人を超え、当初目標を大きく上回っている。後継者育成面においても、現在20人が工房での製作に当たっており、内2人が既に職人として独立できるだけの技術を習得している。除々にではあるが産業自体としての後継者育成の成果が得られてきている。
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