○活性化を必要とした背景・経緯
岳温泉は県内でも有数の温泉地として知られているが、昭和50年頃は老朽化した旅館が多く、宿泊客数も伸び悩んでいた。そのため、55年頃から増改築を行い、グレードの高い施設にする組合員もでてきた。しかし、56年の東北新幹線の開業後は、二本松市には新幹線停車駅がないことから、このままでは来客数が減少して岳温泉がとり残されてしまうという危機感が生まれてきた。
○活性化ノウハウの内容
岳温泉の知名度を上げ来客数を増加することをねらいとして、組合内で数多くの検討を行った結果、井上ひさしの「吉里吉里国」にヒントを得て、57年4月「ニコニコ共和国」を建国することとした。
○活性化への取組み内容
国内に入るにはパスポートが必要であり、また、大統領、国会議事堂なども設けるとともに、独自の通貨的なものを利用できるようにした。これらの取組みは、岳温泉に関連する観光協会が実施主体となり地域全体として取り組む姿勢をとり、事務局を兼務している当組合は裏方として活動する方針をとった。そのため、地域関係者からの協力も得られた。「ニコニコ共和国」の建国以来10年を経過し、本イベント事業は完全に定着したが、毎年実施しているためマンネリ化の傾向があり、今後はどのような企画をしていくがポイントとなってくる。
○活性化ノウハウ発揮後の効果
全国で初めてのイベント事業としてマスコミでも取り上げられたため、知名度も上がり、現在では宿泊客が40万人を超え、57年当時に比べ倍増した。
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